6年住んだマンションの退去費用が「15万円」もかかると言われました……! これは妥当な金額なのでしょうか?
本記事では、退去費用の相場や内訳を詳しく解説し、支払わなくていい費用や交渉のポイントについても紹介します。納得できる退去を迎えるために、ぜひチェックしてください!
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
6年間住んだマンションの退去費用が「15万円」! これは高い? 相場をチェック
退去費用は物件の広さや住んだ年数、故障・汚損の状態によって変わります。まずは、一般的な相場を見てみましょう。
表.1 間取り別の退去費用の目安
| 間取り | 平均退去費用 |
|---|---|
| 1K・ワンルーム | 約1万5000円~3万円 |
| 1LDK・2DK | 約2万円~4万円 |
| 2LDK・3DK | 約3万円~6万円 |
| 3LDK以上 | 約9万円~15万円 |
出典:東京電力エナジーパートナー株式会社「引っ越し時、賃貸の退去費用の相場は?費用を抑える4つのコツも紹介」より筆者作成
この相場と比較すると、「15万円の請求」は間取りや物件の状態によっては妥当な範囲内である可能性があります。ただし、具体的な状況によって判断が必要です。
退去費用の内訳とは? 負担するべき費用・しなくていい費用
退去費用には、大きく分けて以下のような費用が含まれます。
1.入居者が負担すべき費用(支払い義務あり)
・故意・過失による破損や汚れ(例:タバコのヤニ、壁の穴、ペットのひっかき傷)
・クリーニング費用(ただし契約書に記載がある場合)
・明らかに通常の使用を超えた傷や汚れ(例:カーペットのカビ、換気不足による過度な結露ダメージ)
2.貸主(大家)が負担すべき費用(支払い義務なし)
・通常の経年劣化(例:壁紙の日焼け、フローリングの自然な傷)
・設備の老朽化(例:エアコンの寿命による故障)
・6年以上経過した壁紙・床材の交換費用(減価償却により借主負担分が減少)
3.壁紙(クロス)の耐用年数は6年!
国土交通省のガイドラインでは、賃貸物件の壁紙は6年で残存価値が1円となるように貸借人との負担割合を算定すると規定しています。つまり、6年経過後は壁紙の張り替え費用の借主負担分が大幅に減少しますが、完全にゼロになるわけではありません。
高額請求されたときの対処法! 交渉のポイントを解説
もし「15万円」という高額な請求を受けた場合、以下のステップで対処しましょう。
1.まずは請求の内訳を確認する
請求書に具体的な費用の内訳が記載されているか確認しましょう。「壁紙張り替え費用:〇万円」「クリーニング費用:〇万円」など、明細があれば、それぞれの項目が妥当か判断できます。
2.契約書を確認する
賃貸契約書に「ハウスクリーニング費用」や「退去時の修繕費用」の記載があるか確認しましょう。記載がない場合や、記載があっても不当に高額な場合は、交渉の余地があります。
3.管理会社や大家と交渉する
納得できない請求があれば、「国土交通省のガイドラインでは○○と定められています」と伝え、交渉してみましょう。
交渉の際のポイント
交渉の際のポイントを紹介します。
・「国土交通省のガイドライン」に基づいた負担の考え方を説明する
・修繕費用の減額を交渉する
・必要なら第三者機関(消費生活センターなど)に相談する
・退去時の立ち会い時に、部屋の状態を写真で記録しておく
もし管理会社や大家が対応してくれない場合は、「消費者センター」「賃貸トラブル相談窓口」に相談するのも有効です。
まとめ
6年間住んだマンションの退去費用15万円は、相場と比べるとやや高めの請求です。退去費用の内訳をしっかり確認し、経年劣化に該当するものは貸主の負担であることを理解しましょう。
また、契約書やガイドラインを元に交渉すれば、高額請求を減額できる可能性もあります。万が一、不当な請求を受けた場合は、専門機関に相談することも検討しましょう。
出典
国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
東京電力エナジーパートナー株式会社 引っ越し時、賃貸の退去費用の相場は?費用を抑える4つのコツも紹介
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
