通勤用に「50万円」の中古車を検討中……。維持費を考えると「新車より高く」なることもあるって本当ですか?
本記事では、中古車と新車のランニングコストを比較し、どちらが本当にお得なのかを詳しく解説していきます。
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50万円の中古車の維持費が高くなる理由
中古車は購入費が安いメリットがありますが、長く乗ることを考えると維持費の負担が意外と大きくなることもあります。ここでは、特に影響が大きい3つのポイントを紹介します。
(1) 修理・メンテナンス費用
中古車は年式が古く、走行距離が多いものがほとんどです。そのため、修理やメンテナンスが頻繁に必要になるケースが多くなります。
一例としてタイヤ・ブレーキパッド・バッテリーは交換が必要になる可能性が高いです。また高走行距離の車は、タイミングベルトやウォーターポンプなどの交換が必要になる可能性が高くなります。
ただし、具体的な交換時期は車種や使用状況によって異なります。車検時の整備費用は車の状態や年式によって大きく異なりますが、中古車の場合は新車よりも高額になる傾向があります。
これらの修理費用を考えると、購入時は安くても、長期的には予想以上の維持費がかかる可能性があります。
(2) 燃費が悪い
古い車は最新の燃費向上技術が搭載されていないため、同クラスの新車と比べて燃費性能が劣る傾向にあります。ただし、適切なメンテナンスを行えば、エンジンの性能劣化による燃費悪化は最小限に抑えられます。
例えば、10年前の同クラスのガソリン車と最新モデルを比較すると、燃費性能に差がある場合があります。燃費の悪い車を選ぶと、長期的に見て燃料費が高くなる可能性があります。
(3) 自動車税・重量税の増加
車齢が13年以上経過すると、「経年重課」と呼ばれる税金の上乗せが発生します。
・自動車税が約15%増加(例:1.5Lの車なら約5,000円の増額)
・重量税は13年超で増加し、18年超でさらに増加
※増加率は車種によって異なります。
これにより、毎年支払う税金が新車より高くなる可能性があるのです。
実際に「新車 vs 中古車」のコスト比較
では、新車と中古車の維持費を比較すると、どのような結果になるのでしょうか。仮に150万円の新車と、50万円の中古車を5年間使用した場合のコストを試算すると、修理費や燃費の差によって、新車のほうがトータルコストを抑えられる場合があります。
例えば、新車の場合、修理や車検にかかる費用はおおよそ20万円程度で済むことが多いですが、中古車では40万円以上かかるケースもあります。さらに、燃費の差によってガソリン代が年間数万円の違いを生み出すことがあります。
こうした維持費を合算していくと、中古車のほうが初期費用は安いものの、トータルコストで見ると新車とほぼ同じ、あるいは新車よりも高くなってしまうことがあるのです。
中古車を選ぶなら「どんな車を買うか」が重要!
ここまでの比較を踏まえると、「どんな中古車を選ぶか」が重要になってきます。維持費を抑えながらお得に中古車を購入するためのポイントとして、まず比較的新しい車を選ぶことが挙げられます。
特に、5年落ち以内、走行距離5万キロ以下の車であれば、大規模な修理のリスクを抑えることができ、メンテナンス費用も少なくて済みます。
また、燃費の良い車を選ぶことも大切です。古い車は燃費性能が低いため、年間のガソリン代が大きく変わってきます。特に通勤で毎日乗る場合は、1リットルあたりの燃費性能を重視すると長期的なコストを抑えられるでしょう。
さらに、中古車を選ぶ際には、整備履歴や修理歴を確認することが重要です。過去にしっかりとメンテナンスされてきた車であれば、突然の故障や修理費用の増加を防ぐことができます。
特に、消耗品の交換時期を確認し、バッテリーやタイヤ、ブレーキパッドがすぐに交換が必要な状態でないかチェックしておくと、購入後の出費を抑えられます。
まとめ
中古車は購入価格が安く魅力的ですが、修理費や燃費の悪化、自動車税・重量税の経年増加などで、結果的に新車より維持費が高くなることがあります。特に、10年以上経過した車や走行距離が多い車は、修理費用がかさみがちです。
購入時には、総コストを試算し、自分のライフスタイルに合った車を選ぶことが重要です。維持費を抑えたい場合は、比較的新しく燃費の良い中古車を選びましょう。
出典
株式会社IDOM Gulliver 車の増税まとめ
株式会社ネクステージ【維持費の比較】新車と中古車はどちらがお得?かかる維持費の違いや節約方法とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
