「お米が高すぎて家計が厳しいです…」2024年10月の新米入荷で値下がりするはずが、なぜまだ高いのでしょうか?

配信日: 2025.02.16

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「お米が高すぎて家計が厳しいです…」2024年10月の新米入荷で値下がりするはずが、なぜまだ高いのでしょうか?
2024年10月に新米が市場に出回り、「そろそろ米価が下がるのでは?」と期待されていました。しかし、2025年2月になってもお米の価格は依然として高止まりしています。
 
「新米が出回れば値段が落ち着く」といえわれていたにもかかわらず、実際には大きな値下がりは見られません。このままお米は高いままなのでしょうか? それとも今後、価格が落ち着く可能性があるのでしょうか?
FINANCIAL FIELD編集部

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2024年の米価動向を振り返る

2024年の新米価格は、例年よりも高めに推移しました。具体的には、2024年10月の時点で1kgあたり500円を超える品種もありました。これは前年と比較すると約1.5倍以上の価格です。
 
農林水産省のデータによると、2024年10月時点で米価は前年同月比で約48%上昇しました。10月以降も価格は大きく下がることなく推移しており、一部の品種ではむしろ値上がりしているケースもあります。
 

お米の価格が下がらない理由

では、なぜお米の価格は下がらないのでしょうか? その理由をいくつかの観点から解説します。
 

需要と供給のバランス

通常、新米が出回ると供給量が増え、価格が下がる傾向にあります。しかし、2024年は違いました。日本国内での消費が増えているだけでなく、訪日観光客の増加に伴い、外食産業や業務用の需要も拡大しました。
 
さらに、健康志向の高まりによって、玄米や無洗米などの需要も伸びています。需要が高いままだと、供給が増えても価格が下がりにくいのです。
 

生産コストの上昇

お米の価格が高い理由の一つに、生産コストの上昇があります。特に、肥料や燃料の価格が依然として高く、農家の負担が増えています。
 
例えば、肥料代は2023年に比べても高い水準が続いており、燃料費や輸送コストも下がる気配がありません。2024年産米の価格高騰は、2023年産米の需給状況の継続に加え、集荷競争の過熱の影響もあるとされています。
 
そのため、生産者側も価格を大きく下げることができない状況にあります。
 

農家と流通の価格調整

農家や流通業者、そしてJA農協も、価格が急激に下がることを避けるため、慎重に価格調整を行っています。農林水産省とJA農協が農家に減反を強化するよう指導していたことも、価格維持に影響しています。
 
一部の流通業者は価格上昇を見込んで買い占めを行っているという指摘もあります。また、農林水産省は政府備蓄米を条件付きで販売できるようにする考えを示していますが、これは一時的な対策に過ぎない可能性があります。
 
これらの要因により、消費者が『安くなった』と実感できるまでには時間がかかるといえるでしょう。
 

これからお米は値下がりするのか?

では、今後お米の価格は下がるのでしょうか?
 
現在の状況を見る限り、2025年の新たな収穫が始まるまでは、大幅な値下がりは期待しにくいと考えられます。政府は2025年1月31日に、大凶作以外でも備蓄米を放出できる新制度を発表しました。
 
この制度により、2025年3月〜4月頃から備蓄米の放出が始まる可能性が高く、一時的に価格が落ち着くことが予想されます。しかし、これらの施策による価格調整は短期的なものにとどまる可能性があります。
 

消費者はどう対応すべき?

お米の価格が高止まりするなか、消費者ができる対策として以下のような方法があります。
 

1.ふるさと納税を利用

米どころの自治体では、お米を返礼品として提供しているケースが多いです。
 

2.業務スーパーなどを活用

業務用の大袋米を購入すると、1kgあたりの単価が下がることがあります。
 

3.押し麦や玄米との併用

お米の使用量を減らしつつ、健康面でもメリットのある押し麦や玄米を取り入れがおすすめです。
 

4.政府の対策を注視

政府は2025年2月12日に備蓄米の放出を決定しました。これにより、一時的に価格が落ち着く可能性があります。消費者は市場の動向を注視し、価格が安定した際に購入を検討することも一案です。
 

まとめ

2024年10月の新米入荷で米価が下がると期待されていましたが、2025年2月現在でも価格は依然として高い状態が続いています。需要の増加や生産コストの上昇、農家や流通の価格調整が原因となり、大幅な値下がりは見込みにくい状況です。
 
消費者としては、賢く購入する工夫をしながら、長期的な価格の動向を注視していく必要がありそうです。
 

出典

農林水産省 令和6年産米の相対取引価格・数量について(令和6年10月)
株式会社ツナギ 2025年お米価格高騰!ついに備蓄米放出!?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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