転売で20万円稼ぎ「立派な仕事だよ!」という友人。法に触れないけど“迷惑行為”にならないの?「せどり」との違いも解説
配信日: 2025.02.16 更新日: 2025.02.17

一方で「せどり」と呼ばれるビジネスがあるのも事実です。「転売は立派な仕事だ」と考えている人も一定数存在します。本記事では転売の問題点やせどりとの違いについて考えます。

執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
転売は社会問題になっている
人気ゲームや人気カードゲーム、さらにはコーヒーショップの福袋などが大量に買い占められ、定価以上の価格で転売される事例が後を絶ちません。これらの行為はニュースにも取り上げられ、社会問題となっています。
例えば、1月24日に発売予定のあるカードゲームが、1月21日の時点ですでに転売サイトで1.5倍以上の価格で出品されているという現実があります。このような転売行為は、本当に欲しい人が定価で購入できない原因となり、多くの消費者に不満を与えるものです。
これだけを考えると、「転売=迷惑な行為」という図式が成り立つのは無理もないでしょう。
せどりというビジネスが成り立っているのも事実
せどりというビジネスにはっきりとした定義はありませんが、小売店で安く仕入れて、購入価格以上で販売して利益を得る商売を指します。
例えば、古本屋で価値のある本を安く仕入れ、ネットオークションやフリマで販売して利益を得るといった具合です。
筆者の友人にも、せどりで生計を立てている人がいます。彼はブランド服をリサイクルショップで安く買い、ネットフリマで販売し利益を得ています。このような商売も、広義では転売に含まれると言えるでしょう。
転売とせどりの違いは?
いわゆる迷惑行為と考えられている転売と、ビジネスとして成り立っているせどりですが、安く買ったものを高く売るという本質的な部分は変わりません。
しかし、「損する人がいるのか、いないのか」という明確な違いには注目すべきでしょう。
例えば、人気ゲームの転売を考えると、本当に欲しい人が購入できず、高額な価格で購入せざるを得ない状況が生まれます。消費者だけではなく、転売対策に労力を割かれるお店や、ブランドイメージ低下が懸念される製造・販売会社など多くの人に不利益をもたらすのです。
一方、前記の友人のせどりを例に挙げると、彼はリサイクルショップを何軒も回り、自分の知識を生かして価値のある商品を仕入れています。その上で、商品のクリーニングや写真撮影、丁寧な説明文の作成に時間と労力をかけているそうです。
さらに、購入者はリサイクルショップを回る手間を省き、欲しい商品を手に入れることができますし、リサイクルショップ側も、クリーニングや商品のプロモーションに手間をかけず、在庫をさばけます。
つまり、せどりでは関係者全員に利益が生まれる仕組みが成り立っているという点で、迷惑な転売とは一線を画しているのです。
転売の全てが「悪」ではない! 三方よしの仕組みが大切!
転売とせどりは、どちらも「安く買って高く売る」という仕組みを持ちながら、社会への影響において大きく異なります。「迷惑な転売」は、多くの人に不利益を与え、消費者や企業に負担を強いる行為です。
一方で、せどりは仕組み自体は「転売」と変わりません。しかし、知識や労力を生かし、購入者・販売者・仕入れ者の三者が利益を得る仕組みが成り立っています。
転売を批判するだけでなく、せどりのような持続可能で価値を生むビジネスモデルについても目を向けることが大切です。
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士