「マンションを買うと管理費・駐車場代がかかるから戸建ての方がいい」と言われたけど、実際どうなの?戸建てとマンションの「維持費」はどちらが安い?

配信日: 2025.02.17 更新日: 2025.09.26
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「マンションを買うと管理費・駐車場代がかかるから戸建ての方がいい」と言われたけど、実際どうなの?戸建てとマンションの「維持費」はどちらが安い?
家の購入を考えている方の中には、戸建てとマンションで迷っている方もいるのではないでしょうか。長く住み続けると費用もかさむため、維持費の確認は大切です。
 
今回は、戸建てとマンションの維持費がどのくらい違うのか、また、維持費をおさえる方法についてご紹介します。
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戸建てとマンションの維持費はどのくらい違う?

新築から30年間住み続けた場合、戸建てとマンションの維持費は50万~200万円程度違うと考えられます。維持費の目安は表1の通りです。
 
表1

維持費項目 戸建て マンション
固定資産税・都市計画税 約240~300万円 約300~360万円
火災・地震保険 約30~60万円 約15万円
修繕費 約400~500万円 約200万円
管理費・修繕積立金 約70万円
駐車場代 360万円
(月1万円の場合)
合計 670万~860万円 945万~1005万円
1年あたりの維持費 約22~29万円 約31万~34万

※筆者作成
 
表1より、以下のことが分かります。

・維持費全体では戸建ての方が安い
 
・固定資産税はマンションの方が高い傾向がある
 
・修繕費と保険は戸建ての方が高くなりやすい
 
・マンションは管理費・修繕積立金・駐車場代が別途必要
 
・駐車場代が比較的大きなコストになりやすい

ただし、維持費は家の造りや修繕箇所・方法、保険などによっても変わるため、今回の想定よりも費用がかかる可能性もあります。そのため、合計の費用はあくまでも目安です。
 
例えば、固定資産税や都市計画税も住む地域などによって費用が変動しやすい項目です。

総務省によると、固定資産税は「課税標準額×税率(1.4%)」、都市計画税は「土地又は家屋の評価額×税率(0.3%以下※市町村の条例による)」で税額を求める仕組みになっています。これらの計算は非常に複雑な仕組みになっており、市町村の条件や減税措置などによっても金額が異なります。
 
そのため、正確な維持費を比較したい場合は、不動産や保険会社で見積もりを取る方がいいでしょう。
 

戸建て・マンションそれぞれのメリットは?

戸建てとマンションにはそれぞれの特徴があります。住む家を選ぶ際は、維持費以外にも住みやすさなどを考える必要があるため、メリットを把握しておくといいでしょう。
 
戸建てとマンションのそれぞれのメリットは以下の通りです。

【戸建て】

・騒音トラブルに悩まされにくい
 
・土地が資産になる
 
・建てたあとも自由にカスタマイズしやすい
 
・注文住宅の場合は自分のイメージに近い家を建てられる
 
・駐車場代がかからない

【マンション】

・耐用年数が長い
 
・立地がいい
 
・災害時の被害を受けにくい
 
・共用部分の利用ができる
 
・売却がしやすい

戸建ては、ライフスタイルに応じて家のレイアウトを変えたりリフォームしたりしやすい点がポイントです。
 
また、マンションは長く住みやすい傾向があります。というのも、建物には法定耐用年数が定められており、国税庁が公表している「主な減価償却資産の耐用年数表」によると鉄筋コンクリート造の住宅は47年です。
 
戸建ての耐用年数が20~30年前後と考えられているため、家の購入後、長く住み続けたい方はマンションがいい場合もあるでしょう。
 

維持費をおさえながら家に住む方法

戸建て・マンションともに、維持費をおさえる方法は複数あります。それぞれの維持費を節約するポイントは表2の通りです。
 
表2

共通 ・保険を見直す
・修理や修繕は早めに行う
・定期的に掃除などの手入れをする
・アフターフォローが充実した業者を選ぶ
戸建て ・耐用年数の高い素材を選ぶ
(例:外壁は窯業系サイディングにする、など)
・固定資産税の軽減ができるか確認する
・外壁と屋根の塗り替えは同時に行う
マンション ・大規模修繕計画の有無を確認しておく
・戸数が多いマンションを選ぶ
・築年数が浅いマンションを選ぶ
・修繕積立金の金額を確かめる
・駐車場代をおさえる

※筆者作成
 
例えば、火災保険の見直しは、維持費削減以外にも、必要な補償内容が含まれているかなどの確認にもつながります。また、定期的な手入れは、劣化や故障の早期発見にもなるでしょう。
 
特に、マンションの維持費は、マンションの状態や造りによっても異なります。維持費をおさえたい方は、家選びのタイミングから細かくチェックしておくといいでしょう。
 

維持費全体では戸建ての方が安い|マンションのみ駐車場代・管理費・修繕積立費が必要

戸建てとマンションの維持費を比べると、戸建ての方が50万~200万円ほど安い傾向があります。なぜなら、マンションは税金や駐車場代などで費用がかさみやすいためです。特に、駐車場代は維持費のなかでも大きなコストになるでしょう。
 
しかし、必ずしも今回ご紹介した費用になるとは限りません。保険の種類や税金、家の造りなどによっても維持費は変動するため、戸建てであってもマンションであってもさらに費用がかさむ可能性があります。
 
維持費をおさえるには、定期的に保険を見直したり修理や修繕を早めに行なったりすることが大切です。また、家を決める際は維持費以外にも住み心地なども考えながら決めると、満足のいく住まいが完成するでしょう。
 

出典

総務省|地方税制度
 都市計画税
 固定資産税
国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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