新幹線で移動中に爆睡でまさかの乗り過ごし…!行き過ぎた“乗車区間”の往復運賃は払わないとダメでしょうか?
配信日: 2025.02.18

この場合、料金の支払いがどうなるのか気になる人もいるでしょう。新幹線の料金は在来線より高いため、通り過ぎた分の乗車料金も追加支払いをするのか、それとも事情を説明すれば免除してもらえるのか不安になるかもしれません。
本記事では、新幹線で目的地を過ぎてしまった場合の料金の支払いについて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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乗り越した場合は原則「不足分の支払い」が発生する
もし本来の目的地とは異なる駅に到着した場合(乗り越した場合)、より多くの距離を移動したことになり、料金の支払いに不足が発生します。新幹線は乗車券と特急券の料金の合算からなりますが、乗り越し精算額の計算方法はそれぞれ異なります。
特急券の乗り越し精算
東海旅客鉄道株式会社によると、使用開始後の特急料金の支払いに関する規定は以下の通りです。
「指定券、自由席特急券、特定特急券(座席を指定して発売したものを除く。)、急行券、自由席グリーン券は1回に限り変更できます。その際には、変更前と変更後の料金を比較してその差額をいただきます。」
この説明によると、乗り越した場合は、出発地から最終到着地までの特急券料金と、購入した目的地までの特急券料金との差額を支払わなければなりません。
例えば、東京を出発して名古屋が目的地なのに新大阪へ行ってしまったとしましょう。名古屋までの特急券料金が4920円で、新大阪までが5810円だとすると、差額の890円の支払いが発生する計算です。
乗車券の乗り越し精算
同じく東海旅客鉄道株式会社によると、乗車券については、以下の説明があります。
「乗車券で乗り越しされる場合は、乗り越し区間の運賃をいただきます。」
乗車券の乗り越し精算は、特急券のような差額分ではなく、純粋に乗り越した区間の通常運賃を支払って行います。
例えば乗り越し区間が名古屋から新大阪までで、乗車運賃が3410円なら、その額を支払わなければなりません。ただし以下の場合においては、差額の計算が適用されるため注意が必要です。
・目的地の方向や目的地までの経路を変更する場合(変更する区間と乗車しない区間の運賃を比較して差額計算)
・片道の営業キロが100キロメートル以内の普通乗車券で行き先を変更する場合(全区間について変更前と変更後の運賃を比較して差額計算)
・大都市近郊区間内のみを利用する場合の普通乗車券で、同じ大都市近郊区間内の駅に変更する場合(全区間について変更前と変更後の運賃を比較して差額計算)
どのような支払いになるか詳しくは、駅係員に尋ねるようにするとよいかもしれません。
寝過ごした場合は「無賃送還」の措置を講じてもらえる可能性がある
上記は一般的な乗り越し精算のケースについての解説です。今回のように、意図的に到着駅を変更したわけではなく、寝過ごしてしまった場合は異なる対応となる場合があります。
寝過ごしが誤乗と認められた場合、「無賃送還」の措置を講じてもらえるケースがあり、追加料金を支払うことなく当初の目的地へ送ってもらうことが可能です。
東日本旅客鉄道株式会社の旅客営業規則第291条によると、乗客が乗車券に記載された区間外に誤って乗車した場合、係員が認めれば、運賃・料金の収受なく本来の目的地へ送還してもらえます。
この仕組みが適用されれば、もともと支払った料金のみで目的地へたどりつけます。しかし注意点として、係員が「認定」した場合に無賃送還が行われるという点です。
もし寝過ごして別の駅に着いた際、何も言わずに反対方向の列車に乗ろうとすると不正乗車になるでしょう。乗り越しに気づいたら、すぐに車内にいる乗務員や駅の係員に事情を説明するようにしましょう。
乗り越した場合でも「無賃送還」が適用されれば追加支払いはない
新幹線で寝過ごして別の駅に着いてしまっても、事情を乗務員や係員に話せば「誤乗区間」があったとして無賃送還してくれる可能性があります。
不正乗車を疑われないためにも、何も言わずに勝手に反対方向の列車に乗ることはやめましょう。乗り越しに気づいたらすぐに乗務員や係員に相談することが大切です。また通常の乗り越し分支払いについては、特急料金と乗車料金とで扱いが異なるためご注意ください。
出典
東海旅客鉄道株式会社
東日本旅客鉄道株式会社
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー