子どもが第一志望だった国公立高校に落ち、私立高校へ入学することになりました…学費はどれくらい変わりますか?
配信日: 2025.02.18

私立高校の費用が用意できないときは、各種支援制度を利用できないか確認することが大切です。今回は、公立高校と私立高校の学費や、利用できる制度などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公立高校と私立高校で費用はそれくらい違う?
文部科学省が公表している「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立高校と公立高校に通った際の平均学習費は以下の通りです。
●1年生:127万4274円
●2年生:97万8509円
●3年生:82万4452円
合計:307万7235円
●1年生:70万292円
●2年生:58万1984円
●3年生:50万5052円
合計:178万7328円
学習費で比較すると、3年間の合計額で128万9907円の差があります。もし、公立高校に通わせるつもりでお金を用意していた場合、家庭によっては不足する可能性があるでしょう。
なお、上記の「学習費」には「学校外活動費(塾や通信教育、習い事などにかかる費用)」も含まれています。入学金や授業料のみを考慮すると、上記の金額よりも少なくなると考えられます。
活用できる制度はある?
学費が支払えるか不安なときは、高校の授業料実質無料化制度を利用できないか調べましょう。正式名称を「高等学校等就学支援金制度」と呼び、収入条件を満たしていれば、高校の授業料に相当する金額を支給されます。制度では、公立高校なら11万8800円、私立高校なら39万6000円を上限として受給可能です。
制度で支給される金額は、「市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額」の金額が15万4500円よりも少なければ最大39万6000円、30万4200円よりも少なければ最大11万8800円になります。たとえば、両親が共働きの家庭だと、高校生の子どもが一人、中学生の子どもが一人の世帯では、年収約660万円が最大額を受け取れる目安額となるようです。
さらに、非課税世帯や生活保護を受給している世帯などは「高校生等奨学給付金」を利用できる可能性もあります。高校生等奨学給付金では、条件を満たしていれば授業料以外の教育費として給付金を受け取れます。文部科学省によると、世帯の状況別の支給金額は表1の通りです。
表1
国公立高校在学 | 私立高校在学 | |
---|---|---|
全日制・通信制に通う生活保護受給世帯(本人が生業扶助を措置されている場合) | 年額3万2300円 | 年額5万2600円 |
全日制・非課税世帯(第一子) | 年額12万2100円 | 年額14万2600円 |
全日制・非課税世帯(第二子以降) | 年額14万3700円 | 年額15万2000円 |
通信制・専攻科・非課税世帯 | 年額5万500円 | 年額5万2100円 |
出典:文部科学省「高校生等への修学支援 高校生等奨学給付金」を基に筆者作成
学費に困っているときは、こうした制度を利用できないか自治体に相談しましょう。
お金が不足しそうなときの対処法
費用が不足しており、制度の条件も満たさなかったときは、ほかの方法でお金を工面する必要があります。こうした状況のときは、まず両親や親戚などにお金を借りられないか確認しましょう。支援してもらうときは、いくら借りていつまでに返すかを明確にしておくと、金銭トラブルを防ぎやすくなります。
親戚からも借りられないときは、教育ローンやカードローンの利用も選択肢の一つです。ただし、ローンを利用するには本人の返済能力が審査基準の一つなので、もともと所得が低かったり信用情報に問題があったりする場合は、利用できません。
公立高校と私立高校では学習費に128万9907円の差がある
文部科学省の調査では、公立高校と私立高校で3年間の学習費総額に128万9907円の差があることが分かりました。学費を支払えれば問題ありませんが、支払いが厳しいときは制度を活用したりほかのお金を回したりといった工夫が必要です。
制度を活用する場合は、収入に応じて支給される金額の上限が変動します。場合によっては、全額を受け取れないケースがある点に留意しておきましょう。制度も利用できないときは、親戚からサポートを受けられないか依頼することも検討する必要があります。
出典
文部科学省
令和5年度子供の学習費調査 1 学習費総額 (学年別)表2 学年(年齢)別の学習費総額(5ページ)
高校生等への就学支援
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー