子どもの学費が「年120万円」で大変! 母に話したら「昔の授業料は30万円だった」と言われたのですが、大学の学費はどれだけ高くなったのでしょうか…?
それを自身の両親に話すと「昔は30万円くらいだった」とのこと。にわかには信じられないという人もいるのではないでしょうか。
本記事では昭和と現代の大学学費の推移や、その間に給与や物価がどれくらい上昇しているのかを解説します。
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昭和55年と現在の学費比較
文部科学省の統計によると、昭和55(1980)年度の私立大学の年間授業料は、平均で約36万円、入学金は約19万円でした。一方、令和5年度は、私立大学の年間授業料は平均で約96万円、入学金は約24万円です。これはあくまでも平均値ですが、年間授業料と入学金を合わせると、昔と今では2倍以上、毎年かかる授業料だけで見ると3倍近くの差があります。
続いて国立大学ですが、昭和55年度の平均額は授業料18万円・入学金8万円、令和5年度の標準額は授業料約54万円、入学金は約28万円です。
過去の国立大学と、現代の私立大学それぞれ平均的な学部に通っていた場合、授業料のみで比較すると18万円と95万円ですので、その差は5倍以上にもなります。
昔と今の私立同士、国立同士でもその差は大きいですが、通う学部などによっては、かなり差が大きいため、驚くこともあるでしょう。
私立理系・医学系は特に学費が高い
ここまでは大学平均を見てきましたが、特に私立の場合、理系や医学系の授業料は高い傾向にあります。
文部科学省によると、令和5年度の私立大学の授業料の平均は全体では約96万円ですが、理系の学部は約116万円、医学系は約286万円です。
前出した昭和55年頃の私立大学の授業料の平均が約36万円、現在の理系学部の平均が約116万円ですので、自分と孫が両方私立大学に通っていたとしても、通う大学や学部によっては授業料が4倍違うことも十分あり得るでしょう。
昔と比べて給与や物価はどう変化した?
大学の授業料は昔と比べると数倍に上がっていますが、その間の給与はどう変化したのでしょうか?
国税庁によると、昭和57年の平均年収は319万7000円です。一方、令和5年の給与所得者の平均年収は460万7300円です。
つまり、学費は数倍増加しているにもかかわらず、給与は1.5倍程度の増加にとどまっています。さらに、学費以外の物価も当時とは異なっています。独立行政法人 労働政策研究・研修機構によると、消費者物価指数は2020年を100とした場合、昭和55年は73.2、令和5年は105.6です。
給与は増えているものの、物価や学費の上昇を考えると、家計への負担は決して軽くはなっていないでしょう。
まとめ
昭和55年頃と比較すると、大学の学費はかなり増加しています。給与も上がっていますが、割合として学費ほどは上昇しておらず、また物価上昇も続いています。
受験シーズンを迎える家庭にとって、学費は避けて通れない話題です。奨学金や学費減免制度を活用しつつ、計画的に進学資金を準備するようにしましょう。
出典
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 図1 消費者物価指数 2020年=100 1947年~2023年 年平均
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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