友人に「10万円」を貸しているのですが、1年たっても返済がありません。書面を交わしていない場合、このまま返済を求めるのは難しいのでしょうか?
配信日: 2025.02.19 更新日: 2025.02.20


執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
お金を借りたことを忘れているだけの場合もある?
お金が返ってこないと、貸した側からすると、どうして返してくれないのかとストレスばかりが大きくなってしまうこともあるかもしれません。
とはいえ、友だち側としては、お金を借りたことを単に忘れてしまっているだけなのかもしれません。そのようなときには、まずは友だちに連絡するようにしてみましょう。
具体的な方法としては、直接、友だちに電話する、メールする、SNSなどを通じてメッセージを送るという方法を試してみましょう。このとき、「何月何日にお金を貸したんだけど、いつ返してもらえますか」とたずねて反応や返信を待ってみましょう。
相手がうっかり返済を忘れていた場合は、返す旨の返事がきます。そのときには、こちらから再度連絡するタイミングで、いつなら返してもらえるのか、必ず日時と返済額を決めるようにしましょう。
分かっているのに返済してくれない場合は、内容証明郵便を送る
人によってはお金を借りたことを覚えていても、わざと返さないというケースもあるかもしれません。そのような場合は、いつ、どのような経緯で、いくら貸したのかを伝えます。さらに、お金を貸す際のやり取りが残っていれば、メールやSNSのメッセージなどを提示します。
あるいは、文章では思いが届かないこともありますので、直接会い、口頭で返してほしいことを伝えるようにしましょう。
もし、直接話しても返してもらえないときには、内容証明郵便を送るという方法を試すといいでしょう。
内容証明郵便とは、いつ、どんな内容を、誰が誰に郵便を送ったのかを証明する郵便のことです。内容証明郵便は郵便でありながら、今回のようなケースでは、相手にお金を返してほしいことを請求した証拠にもなる郵便です。
内容証明郵便を一般書留(50g以内)で送る場合は、郵便料金110円+一般書留480円+内容証明郵便480円(1枚の値段。2枚目以降は290円増)の合計1070円かかります。
それでも、お金を返してもらえないときには、少額訴訟や支払督促などの法的手段を取ることを検討してみましょう。
お金がなくて返せないと言われたときの対処法
お金を借りたことは覚えているものの、返済のめどが立たないというケースも考えられます。そのようなときには、返済額を分割したり、支払期限を延期したりするなどを検討するといいでしょう。
もし、分割や期限の延期をするときには、必ず契約書を作成し、第三者にも金銭の貸借があったことが分かるようにしておくことが大切です。
契約書を作成するときには、返済期日が守られなかったときのことも想定して、遅延金や一括返済をする等の条件をつけて作成するといいでしょう。
一般的に契約書には何を書いたらいいのか分からないという人が多いのですが、オンライン上でフォーマットを探すことが可能です。それを参考に作成してもいいですし、フォーマットをダウンロードして、自分の金銭貸借にあわせて作成することも可能です。
また、お金がないから払えないというのなら、相手に本当に財産がないのかを確認してもいいですし、家族を知っているなら、家族に肩代わりをしてもらえないか伝えてもいいでしょう。
いざというときに頼りになるのが友だちですが、金銭の貸借がきっかけで、良かった仲が壊れてしまうことも考えられます。お金を貸すほうはもちろんのこと、借りるほうもお金を借りた事実を真剣に受け止め、向き合うことが大切です。
出典
日本郵便株式会社 内容証明
筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト