AT車にも「MTモード」が搭載されているのはなぜ?うまく使えば燃費がよくなるって本当?
車種によってはそれらのレンジにMT(マニュアルトランスミッション)モードが設定されている車もあります。しかし、その機能の存在や使い方がよく分からないという人もいるのではないでしょうか。
MTモードは、上手に使うことで燃費がよくなるといわれているようです。この記事では、AT車に設定されたMTモードと、その利用によって燃費が本当によくなるのかについて解説します。
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一部のAT車に搭載されているMTモードとは?
MTモードは、運転手がMT車のようにギアチェンジを自分自身で行える機能で、専用のレンジにシフトレバーを移動させギアチェンジします。
シフトのアップ・ダウンには、専用レンジに設定された「+」「-」の設定されたレンジを使用する場合や、ステアリングの左右に用意された「+」「-」のパドルシフトスイッチを使用する場合があります。
また両方が用意されている車種もあるようです。いずれも「+」にシフトを倒すとシフトがアップされ、「-」にシフトを動かすとシフトがダウンする仕組みです。
AT車のメリットは、面倒なクラッチ操作やギアチェンジを手動で行わなくても、Dレンジに入れておけば前進してくれることです。一方MTモードでは、走行状況に合わせてシフトアップやシフトダウンができることがメリットとなります。
MTモードの効果
MTモードは自分でギア調整するため、自動でシフトアップしてほしくないときやエンジンブレーキを効かせたいときに効果があるようです。
例えば、上り坂を進んでいるとき、回転数の関係でシフトアップしてしまい加速がもたついてしまうかもしれません。MTモードであれば、走行しやすい回転数の状態でパワーダウンしない走行が可能です。
また、MTモードで走行中にシフトダウンすることで、エンジンブレーキを効かせられる効果もあります。Dレンジだとフットブレーキ頼みになりますが、エンジンブレーキを活用したい場合にMTモードは効果を発揮します。
燃費改善による費用対効果
MTモードでは自分でシフトアップを操作するため、コンピュータがシフトアップを制御するAT車よりも回転数をおさえた状態でシフトアップが可能です。回転数が高くなればその分燃料を消費するため、必要以上に回転数をあげないようにシフトアップすれば、燃費が改善される可能性があります。
なお、2025年1月末のガソリン代全国平均は185円程度です。1リットルで10キロメートル走行できる場合、40リットルで400キロメートルの走行が可能で、必要となるガソリン代は7400円です。
1リットルで11.5キロメートル走行できた場合、40リットルだと460キロメートル走行が可能なため、Dレンジで通常走行するよりも60キロメートル長く走行が可能となります。6リットル分の改善になるため、1リットル185円の場合、1110円分の改善が見込まれます。
ただし、近年のATやCVTの技術も優れており、搭載されているエンジンで最も効率的な状態を維持しながらの走行が可能です。MTモードで上手く回転数をコントロールできない場合は、必ずしも燃費が改善できるとは限らないため注意が必要です。
AT車のMTモードは上手く活用すれば燃費改善につながる可能性がある
AT車のMTモードは、MT車同様に運転手がギアチェンジする仕組みです。そのため、ギアチェンジを積極的に行い、回転数を上手に制御できれば、AT車のDレンジだけで走行するよりも燃費改善につながる可能性はあるでしょう。
しかし、近年のAT車の制御技術も進化しており、最適な回転数で走行可能なため、慣れない方や操作が苦手な方の場合、逆に燃費に悪影響を与えてしまうおそれも考えられます。
燃費計が搭載されている車の場合、数値が改善されているか確認しつつ試してみるとよいかもしれません。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果 給油所小売価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
