仕事が忙しくて会社の「健康診断」をなかなか受けられません。健康診断を受けないと罰則などはあるのでしょうか?

配信日: 2025.02.21

この記事は約 4 分で読めます。
仕事が忙しくて会社の「健康診断」をなかなか受けられません。健康診断を受けないと罰則などはあるのでしょうか?
毎年行われる会社の健康診断。しかし、「仕事が忙しくてなかなか受ける時間がない」「日程が合わず後回しにしてしまう」という方も多いのではないでしょうか。
 
そこで気になるのが、「会社の健康診断を受けなかった場合、何か罰則があるのか?」という点です。また、健康診断を受けないことで、自分の健康や職場での評価にどのような影響があるのかも気になるところでしょう。
 
本記事では、会社の健康診断の義務、受けなかった場合の罰則の有無、そして健康診断を受けないことで生じるリスクについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

会社の健康診断は法律で義務付けられている?

会社の健康診断は、労働安全衛生法に基づき、企業が従業員に対して実施することが義務付けられています。これは、従業員の健康状態を定期的に確認し、病気の早期発見・早期治療を促すことで、働く環境を安全に保つためのものです。
 
企業が実施すべき健康診断には、主に以下のような種類があります。

●雇入時の健康診断(新しく入社した従業員が対象)
●定期健康診断(常勤の従業員を対象に年1回実施)
●特定業務従事者の健康診断(有害物質を扱う業務に従事する従業員が対象)
●海外派遣労働者の健康診断(海外勤務者が対象)

このうち定期健康診断は、一般の従業員が毎年受けるものに該当します。企業は、年1回の定期健康診断を実施し、従業員に受診させる義務があります。
 

健康診断を受けないと罰則はある?

健康診断を受けなかった場合の罰則は、会社側と従業員側で異なるため、それぞれ分けて解説します。
 
<会社が健康診断を実施しなかった場合>
企業には、従業員に健康診断を受けさせる義務があります。これを怠った場合は労働安全衛生法違反で50万円以下の罰則が科され、労働基準監督署から是正勧告を受けることもあります。特に、従業員の健康管理を怠ったことが原因で労災につながった場合、企業の責任が問われる可能性も高くなります。
 
<従業員が健康診断を受けなかった場合>
従業員が健康診断を受けなかった場合、法律上の直接的な罰則はありません。ただし、以下のようなデメリットやリスクがあります。
 

1. 会社からの評価が下がる可能性がある

健康診断は業務の一環とされることが多く、会社の指示に従わないと業務命令違反と見なされ、会社の就業規則によっては懲戒処分の対象となる可能性もあります。
 

2. 労災認定や傷病手当金の申請が難しくなる

仕事が原因で病気になった場合、健康診断の結果が労災認定の重要な証拠になるため、健康診断を受けていないと、労災認定が不利になる可能性もあります。
 

3. 自分の健康状態が把握できず、病気の早期発見が難しくなる

健康診断は、病気を未然に防ぐための重要な機会です。もし、深刻な病気が進行していたら、早期発見のチャンスを逃すことになります。
 

忙しくても健康診断を受けるための対策

どんなに仕事が忙しくても、健康診断は受けるべきです。そこで、以下のような方法を活用してみてはいかがでしょうか。
 

1. 会社の健康診断のスケジュールを確認する

企業によっては、複数の日程を設けていることがあるため、事前にスケジュールを確認し、都合の良い日に予約を入れましょう。
 

2. 提携の医療機関で個別に受診する

健康診断の実施日に都合がつかない場合、会社が提携している医療機関で別日に受診できることもあるので、総務や人事に相談してみましょう。
 

3. 有給休暇を活用する

どうしても業務の都合がつかない場合は、有給休暇を利用して受診するのも一つの方法です。健康診断は、自分の健康を守る大切な機会なので、積極的にスケジュール調整をしましょう。
 

健康診断は自分の健康を守るために必ず受けよう

会社の健康診断は法律で義務付けられており、企業側には従業員に受診させる責任があります。会社が健康診断を実施しない場合は罰則が科される可能性がありますが、従業員が受けなかった場合、法律上の罰則はありません。ただし、業務命令違反と見なされる可能性があるほか、労災認定や傷病手当金の申請が不利になるリスクもあります。
 
また、健康診断を受けないことで、病気の早期発見が遅れるという大きなデメリットもあります。仕事が忙しくても、スケジュール調整や提携医療機関を利用するなどの方法で、受診の機会を確保することが大切です。
 
健康診断は、自分の健康を守るための重要な機会です。忙しい毎日だからこそ、ぜひ健康診断を受ける時間を確保し、長く健康に働ける環境を整えていきましょう。
 

出典

厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断の概要
デジタル庁 e-GOV 法令検索 労働安全衛生法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集