子どもの大学受験で滑り止めの私立に入学金「30万円」納めました。第一志望の国公立大学に受かって私立を”辞退”しても、返ってこないのでしょうか?
本記事では、滑り止めの大学に支払った入学金は返ってくるのかや、入学金の相場、滑り止めの大学に支払う入学金をおさえる方法などを解説します。
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目次
滑り止めの大学に支払った入学金は返ってくる?
大学入試に合格すると、期限内に入学金を支払わなければいけません。入学金は、本命・滑り止め関係なく、入学する可能性が少しでもあれば大学に支払わなければいけません。
入学金を支払った後に第一希望の大学の合格が分かった場合、支払った入学金は原則返ってきません。
某私立大学の場合、入学の意思を示すために以下4つを期日までに行う必要があります。
・入学金の納入
・授業料と諸会費の納入
・入学手続き書類の提出
・インターネット入学手続きの登録
上記4つを実施後に入学を取りやめる場合、必要書類を提出すると、授業料と諸会費であれば返還してもらえるようです。しかし、入学金の返還は対象外と定められています。
入学金を返還してもらえるかは、各大学のホームページで確認しましょう。
滑り止めの大学に入学金を支払う理由
合格した大学に入学する意思を示すために、入学金を支払います。そのため、入学金を期日までに支払わなかった場合は原則として合格が取り消されます。
「第一志望だけ支払えばよいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、入試日程の関係で滑り止めの大学に事前に入学金を支払わなければいけない状況になるケースも少なくありません。
例えば第一志望が国立大学の場合、表1の日程で個別試験が実施されます(2025年度入学者選抜の場合)。
表1
| 前期日程 | 後期日程 | 追加合格者 | |
|---|---|---|---|
| 試験日 | 2025年2月25日から | 2025年3月12日以降 | - |
| 合格発表 | 2025年3月6日~3月10日 | 2025年3月20日~3月24日 | 合格者の決定: 2025年3月28日から |
| 入学手続き締切期日 | 前期:2025年3月15日 | 第1次:2025年3月27日 | 第2次:2025年3月31日 |
出典:一般社団法人国立大学協会「国立大学の入試」を基に筆者作成
国公立大学は2月下旬から3月に試験が行われるのに対し、私立大学では1月下旬から2月下旬にかけて試験が実施されるケースが多い傾向にあります。加えて、基本的に入学金の納入期限は合格発表から2週間以内であるケースが一般的です。
このように、人によっては滑り止めの私立大学の入学金納入期限が、国公立大学の合格発表より前に来てしまうことがあるため、滑り止めの大学に入学金を支払う状況になるのです。
大学の入学金の相場
文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年の国公立大学、私立大学の入学金は表2の通りです。
表2
| 入学金 | |
|---|---|
| 国立大学 | 28万2000円 |
| 公立大学 (地域外からの入学者の平均) |
37万4371円 |
| 私立大学 | 24万806円 |
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
国立大学の入学金は、国が定めています。公立大学は、地域内か地域外で差があるようです。地域内だと表2の金額よりも安くなる可能性があります。
また、私立大学は学校や学部によって入学金が変動します。理系の方が文系より高かったり、医学部だとより高額だったりする可能性があるため、応募する前に確認しましょう。
入学金はいずれも20万円以上と安くない金額のため、合格した大学すべてに支払うのではなく、滑り止めの中でも一番通う可能性の高い大学のみに支払うのを推奨します。
滑り止めの大学への入学金をおさえるにはどうすればよい?
滑り止めの大学への入学金をおさえるためには、入試のスケジュールを把握する必要があります。第一志望だけに絞るのはリスクがあるため、多くの方が滑り止めも受けるでしょう。
入学金は原則として、一度納付すると返還されない可能性があります。もし第一志望校の合格発表より後に入学金を支払えれば、結果を見てから支払いの有無を決定でき、入学しないのに入学金を支払うという事態を避けられます。
しかし、第一志望校の合格発表より入学金の納入期限が後になっている大学が見つからないかもしれません。志望校はお子さんの将来を考えて決めることが最優先ですが、いくつもの大学に入学金を支払うことはできるだけ避けたい旨を伝え、一緒に受験スケジュールを検討するのもよいでしょう。
滑り止めの私立大学に支払った入学金は原則として返ってこないと考えられる
大学の入学金は大学への入学意思を示すための費用であり、一度支払うと原則返還されません。入学金の支払いについては、各大学の入試日程や納入期限を十分に確認しましょう。
お子さんは、大学受験にいっぱいいっぱいでお金まで頭が回っていないかもしれません。入学金の仕組みを伝え、お子さんの意思を尊重したうえで、どの学校を受験したいのか一緒に考えるのもよいでしょう。
出典
一般社団法人国立大学協会 国立大学の入試 【2025年度入学者選抜】 1.試験の日程
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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