シートベルトをせずに後部座席に人を乗せて発進したら、運転手は「罰則対象」になる?着用が免除される例外的なケースも解説
配信日: 2025.02.21

しかし後部座席のシートベルトについては、前部座席と比べて、シートベルトの重要性があまり意識されないこともあるようです。今回のケースのように、後部座席に座る同乗者が着用してくれないケースはめずらしくないかもしれません。
本記事では、同乗者がシートベルトを着用しないときの責任の所在について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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後部座席もシートベルトの着用義務がある
シートベルトの着用義務については、道路交通法第71条の3の第1項と第2項で規定されています。
同法律では、運転席はもちろん、それ以外の座席でもシートベルトを着用しなければならないと明記されています。また、警察庁のホームページでは運転席以外の座席のシートベルトについて、「運転者」が同乗者に着用させなければならないとしており、運転手に責任があることを示していると考えられるでしょう。
タクシーに乗る場合も同様です。乗客用の座席に座るときは必ずシートベルトをつけましょう。
着用しない場合に罰則はある?
後部座席の同乗者にシートベルトを着用させずに高速道路(高速自動車国道および自動車専用道路)を運転した場合、行政処分として基礎点数「1点」が付されます。
違反点数が1点でも付くと、次回の免許更新から優良運転者(ゴールド免許)ではなくなってしまいます。ゴールド免許でなくなることにより、任意の自動車保険の保険料が上がってしまうかもしれません。例えば、ある保険会社の「ゴールド免許割引」では、特約や年齢に応じて9%~18%の割引が提供されるようです。
免許の更新時にも、ゴールド免許ではないことで費用の負担が増加します。警視庁によると、優良運転者講習は手数料が3000円ですが、一般運転者講習を受けるドライバーは3300円と高くなります。
一般道路についてはとくに違反点数はありません。また反則金の設定もありません。しかしこれを、一般道路ではシートベルト着用が重視されていないという意味にとらえないようにしましょう。
あくまで点数が付されないだけであって、非着用によるリスクがなくなるわけではありません。
シートベルト非着用の危険性
シートベルト非着用で交通事故に遭った場合、着用しているときよりも被害が大きくなる可能性が高くなります。
警察庁によると、後部座席におけるシートベルト非着用時の致死率は、着用時と比べて高速道路では約25.9倍高いそうです。一般道路でも着用時の約3.3倍高くなります。
違反点数や反則金の有無などにかかわらず、安全のために全席でシートベルトを着用することが必要だといえるでしょう。
着用が免除される例外的なケース
道路交通法第71条の3の第1項および第2項によると、一部のケースでは非着用が認められています。
例えば疾病のためにベルト着用が難しい場合や、緊急自動車の運転者が緊急自動車を運転するとき、その他やむを得ない理由があるときは非着用でもかまいません。
何らかのケースで着用が難しいと感じる同乗者を乗せる場合は、警察署などに確認しておくと安心です。
シートベルト非着用の責任は運転者にあると考えられる
シートベルトを同乗者に着用させる責任は運転手にあると考えられます。もし後部座席の同乗者が非着用のまま運転すれば、高速道路では違反点数1点が付されます。これまでゴールド免許だった人は違反点数が付くことで任意保険や免許更新のコスト負担が増える可能性が高いでしょう。
いずれにしても安全面の観点から、発進前には助手席・後部座席すべての座席に座る同乗者がきちんとシートベルトをつけているかどうか確認することが重要です。
出典
e-Govポータル法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号) 第四章 車両等の運転者及び使用者の義務 第一節 運転者の義務 第七十一条の三(普通自動車等の運転者の遵守事項)
警察庁 全ての座席でシートベルトを着用しましょう
警視庁 更新手続一覧
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