免税店もあまり安くなくなっていると聞きました。お酒やブランド品だとしても「円安」の影響で高くなっているのでしょうか?

配信日: 2025.03.06

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免税店もあまり安くなくなっていると聞きました。お酒やブランド品だとしても「円安」の影響で高くなっているのでしょうか?
免税店での買い物は、海外旅行の際の楽しみの一つでもあるでしょう。「免税だから安い」というイメージがありますが、最近では「思ったより安くない」という声をよく耳にします。実は免税店での商品価格は、円安・円高の影響を大きく受けているのです。
 
本記事では、円安が免税店での買い物に与える影響や免税店の種類などについて紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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円高・円安とは

通貨の価値の変動は、私たちの買い物にも大きな影響を与えています。円安とは、外国通貨と比較して日本円の価値が下がる現象を指します。日本の輸出企業にとってはプラスとなりますが、私たち消費者にとっては輸入品の価格上昇という形で影響が出てくるでしょう。
 
一方、円高は、日本円の価値が外国通貨と比較して高くなる状態です。海外製品を日本円で購入する際により多くの商品を手に入れられます。つまり、同じ1万円でも円安時より多くの外国製品が購入できる状態になるのです。
 

免税店も円安の影響を受ける

円高になると、海外の免税店での買い物は多くの日本人旅行者にとって旅の醍醐味となります。1ドル=100円を切るような円高の時期には、海外の免税店での買い物は、国内価格と比べて大きな節約が可能だったのです。
 
しかし、現在の円安環境下では状況が一変しています。
 
例えば、1万ドルの高級腕時計を例に取ると、円高時(1ドル=100円)なら100万円で購入できた商品が、円安時(1ドル=150円)では150万円と、50万円もの差が生じてしまいます。ここまで価格差があると、免税による税金の節約分を大きく上回ってしまうことも少なくないでしょう。
 
他にも円安の影響が顕著なのが、海外ブランドコスメや香水といった化粧品や日用品です。化粧品や日用品は従来、免税店でまとめ買いすることで大きな節約になりましたが、円安による価格上昇で、その魅力が薄れています。輸入コストの上昇は、免税店の価格設定にも影響を与えているのです。
 
一方で、円高時には状況が異なります。円の価値が高まれば免税の恩恵と合わせてより大きな節約が可能になるでしょう。
 
以上の通り、免税店での買い物がお得かどうかは、単に免税という要素だけでなく、為替レートの影響を大きく受けることが分かります。
 

免税商品の金額や量には上限がある

免税品の購入には、一定の制限が設けられています。お酒やたばこなどには数量制限があり、高額商品には免税上限額が定められています。これらの制限を超えた場合には、入国時に課税されることになるため注意が必要です。
 

日本の免税店は街中と空港内で種類が異なる

免税店には大きく分けて2種類あり、それぞれ利用できる対象者や免税の仕組みが異なります。
 

街中の免税店:Tax Free Shop

街中の免税店(Tax Free Shop)は、主に外国人旅行者向けのサービスです。ここでの免税は消費税の免除のみで、日本在住者は消費税の免除が適用されません。購入した商品は国外への持ち出しが条件となり、国内での使用は認められていないためです。
 

空港内の免税店:Duty Free shop

出国手続き後のエリアにあるDuty Free shopは、日本人旅行者も利用できる免税店です。消費税だけでなく、関税やたばこ税、酒税なども免除されます。そのため、国内の一般店舗と比べると、理論上はより安価に商品を購入できるはずです。
 
ただし、現在の円安環境下では、これらの税金が免除されても、為替の影響で必ずしも「お得」とは限らない状況になっています。
 

免税店は円安や円高の影響を受ける

免税店は「税金が免除される」という特徴を持つ小売店ですが、商品価格は為替レートの影響を大きく受けます。免税店での買い物は「安い」というイメージがありますが、現在の円安環境ではその魅力が薄れてしまうのです。
 
円高時には海外ブランド品や化粧品などが国内価格より大幅に安くなることがありますが、現在のような円安の環境下では、税金が免除されても為替の影響で必ずしもお得にならないケースが増えています。
 
また、免税店での買い物を検討する際は、為替レートの動向に加え、購入制限や免税の仕組みもしっかり確認することが大切です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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