「デートで割り勘はあり得ない」と言われてきた40代の独身男性。最近は「むしろ割り勘がいい」と聞くけど、支払いはどうすべき?「男性が多く払うべき」という固定観念の背景も解説
特に世代が上の人ほど、「男性が多く出すのが当たり前」と考える人が多いかもしれません。本記事では、現代のデート代について解説します。
2級FP技能士
「割り勘」でのデートを希望する女性は約50%
dポイントクラブのアンケート調査によると、デート費用の支払い方法についての回答は、男女で大きく異なっています。
男性は「自分が多めに支払いたい」と答えた人が43.8%で1位ですが、女性の1位は「割り勘が良い」が49.4%で1位なのです。また、男性で「割り勘」と答えた人は27.1%、女性の「相手に多く支払ってほしい」は26.5%と同等数でそれぞれ2位であることから、男女で逆転現象が起きていることが分かります。
そして、男性の「全額自分がおごりたい」は9.8%、女性の「全額相手におごってほしい」は9.0%です。男女ともに「割り勘はあり得ない」という考え方は、今の時代では少数派のようですね。
図表1
NTTドコモ dポイントクラブ 調査レポート デート代は割り勘が良い!? 令和版理想のデートを調査!
「デート代は男性が負担すべきだ」と考える20代女性は約23%
内閣府が行った「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」によると、「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」に対して、「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」と答えた20代女性の割合は22.9%となっています。
対して40代男性は32.6%となっており、10ポイント程度の開きがあります。また、女性よりも男性のほうが全体的にデート費用を負担すべきだと思っている割合が高く、特に男性では世代が上がるほど割合が高くなっています。
図表2
内閣府男女共同参画局 令和4年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究
なぜ「男性が多く払うべき」固定観念があるのか
「男性が多めに支払う」という考え方は、デートに限らず女性がいる飲み会の場などでもみられます。そもそも、なぜこのような固定観念があるのでしょうか。
さまざまな理由が考えられますが、代表的なのは男女の賃金格差ではないでしょうか。近年では男女ともに平等に収入を得られる世の中になりつつありますが、昔はそうではありませんでした。図表3は男性の収入を100とした場合の女性の収入割合を示した図です。
今の60代が20代だった1989年には、男性の年収が400万円であれば女性の年収水準は240万円だったのです。「男性のほうが多く稼いでいるから、その分多く支払う」という流れになったのでしょう。今の20代に、この感覚はあまりないかもしれませんね。
図表3
内閣府男女共同参画局 男女間賃金格差(我が国の現状)
まとめ
「デートで割り勘はあり得ない」という考えは、今の時代では薄れてきているといえるでしょう。割り勘を求めている女性は半数に上っているからです。
「自分のほうが稼いでいるから」、「女性のほうが年下だから」と決めつけてしまうと、女性はデート代を出させてもらえないことに対して不満を感じる場合もあるかもしれません。
デート代の支払い方については、男性と女性、世代で乖離(かいり)があるようなので、事前に相手に相談してみるとよいかもしれませんね。
出典
NTTドコモ dポイントクラブ 調査レポート デート代は割り勘が良い!? 令和版理想のデートを調査!
内閣府男女共同参画局 令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究
内閣府男女共同参画局 男女間賃金格差(我が国の現状)
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士



