来年「高校受験」を控えた娘。「私立」の女子高が第一志望ですが、学費が高そうで心配です…。私立の学費は「公立」とどのくらい違いますか?
配信日: 2025.03.07

特に、子どもが「私立」への進学を望んでいる場合は、お金がかかるというイメージを持つ方も少なくないはずです。
当記事では、文部科学省のサイトで公開されている「令和5年度子供の学習費調査」をもとに、私立高等学校と公立高等学校(それぞれ全日制)における学費の違いについて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「私立高校」の1年間の学校教育費は「公立高校」の「約2.18倍」
授業料などを総合した「学校教育費」を公立高等学校と私立高等学校で比較した場合、公立高等学校の学校教育費は年間「35万1452円」かかるとされています。その中でも、大きな割合を占めるのが「通学関係費」の27.8%(9万7738円)と「図書・学用品・実習材料費等」の17.7%(6万2292円)です。
一方、私立高等学校の学校教育費は年間「76万6490円」かかるとされています。その中でも、大きな割合を占めるのは「授業料」の30.4%(23万3102円)と「通学関係費」の18.6%(14万2670円)となっています。
「私立」は「公立」より「学校外活動費」も高い傾向にある
家庭内学習費や通信教育・家庭教師費、学習塾費などを総合して「学校外活動費」というカテゴリーがあります。これにかかるコストとして、公立高等学校では年間「24万6300円」、私立高等学校では年間「26万3793円」という結果になっていました。
3年間の「学習費総額」で見ると「私立」は「公立」より「120万円以上」高い
公立高等学校3年間にかかる学習費総額は「178万7328円」というデータがあります。一方、私立高等学校3年間にかかる学習費総額は「307万7235円」となっており、公立と私立では120万円以上の差があるという結果になりました。
この結果から、3年間で必要になる学習費総額は、公立高等学校よりも私立高等学校の方が高くなる、といえるでしょう。
教育資金の確保に「学資保険」を利用している家庭も多い
高校に進学する場合、私立高等学校はもちろんのこと、公立高等学校であってもある程度の学費はかかります。そこで、どのようにして学費にあてる資金を確保しているのかなど「教育資金」について調査したデータをチェックしてみましょう。
ソニー生命保険株式会社が公開している「子どもの教育資金に関する調査2024」によると、大学等への進学のための教育資金準備方法として最も多かったのは「銀行預金」(56.4%)、次いで「学資保険」(43.7%)という結果になりました。
学資保険とは、毎月決まった金額の保険料を積み立てて、満期になったタイミングなどでまとまった資金を受け取る仕組みです。
また、このアンケートで「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい」と答えた人は「7割以上」になります。学費には高額な費用がかかりますが、学資保険などの対策もあります。前もって備えておけば、学校選びの際に子どもの意見を尊重しやすくなるはずです。
まとめ
受験生の子どもを持つ親として「学費」は避けて通れない問題です。令和5年度における学習費の調査結果によれば、3年間の「学習費総額」を見ると、私立高等学校と公立高等学校で120万円以上の差が生まれるようです。
一方で、「費用はかかっても子どもの希望を叶えたい」と考える親も多数いることが分かりました。実際に進学して勉強するのは「子ども」です。進学については子どもとよく相談し、納得のいく選択ができるよう、学資保険などで事前に教育資金を準備しておくことをおすすめします。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 結果の概要 2 調査結果の概要 2 学校教育費 (4) 高等学校(全日制)(11ページ)、3 学校外活動費 (1)「補助学習費」と「その他の学校外活動費」の構成(12ページ)、4 幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額(18ページ)
ソニー生命保険株式会社 ニュースリリース(2023年度) 子どもの教育資金に関する調査2024 (図2)、(図19)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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