親世帯の70%が帰省費用を負担している? 親世帯の負担額の現状
配信日: 2025.03.09

この記事では調査データをもとに、親世帯が負担している具体的な金額や、子ども世帯が親の負担を減らすためにできる工夫について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親世帯の70%が帰省費用を負担している現状
株式会社ハルメクの調査では、親が帰省費用を全額負担している家庭が17.9%、一部を負担している家庭も33.3%にのぼり、約70%の子ども世帯が親からいくらかの援助を受けていることが分かっています。一方で、全額を子ども世帯が負担している家庭は22.8%でした。
親が費用を負担する背景には「帰省時くらいは負担をかけたくない」「楽しい時間を過ごしてほしい」という思いがあるようです。具体的な負担項目は「滞在中の食費」に42.8%、「滞在中のレジャー費」に19.7%、「滞在中のショッピング費」に17.1%となっており、子ども世帯に充実した時間を過ごしてほしい親心が強く表れているといえるでしょう。
親世帯が負担している金額はどれくらい?
親世帯が負担している金額を詳しく見ると、1回の帰省につき「1万円以上~3万円未満」が39.8%と最も多く、次いで「1万円未満」が22.9%、「3万円以上~5万円未満」が19.3%となっています。株式会社あおぞら銀行が2020年に行った調査では、親が負担する交通費の平均額が3万4600円にのぼり、2014年の調査開始以来の過去最高額となりました。
子ども世帯の中には「親が費用を出してくれないなら帰省を控えたい」という声もあります。実際に、親が費用を負担できなかったために帰省を短期間にとどめたケースがあるようです。
親世帯が年金暮らしに入ると、帰省費用の負担が老後資金や将来の介護費用に影響を及ぼす可能性が高くなります。親が現役時代だったころと同じ感覚で負担をかけ続けるのではなく、親子で話し合い、無理のない負担バランスを見つけることが大切です。
親世帯の負担を減らすための工夫
年末年始の繁忙期には新幹線運賃や航空券に割増料金が適用されますが、2月はその影響がなく、比較的安く帰省できる時期です。さらにもう少し工夫すれば、さらに親世帯の負担を軽くすることができます。気持ちよく帰省を楽しむために、子ども世帯ができることを考えてみましょう。
早めの予約で交通費を節約
帰省費用の中でも交通費は大きな出費ですが、新幹線や飛行機の早割や往復割引をうまく利用すれば、想像以上にお得に移動できます。
例えばANA国内線の早割「ANA SUPER VALUE」では、75日前に予約すると通常料金から最大85%引きになる便もあります。帰省の日程が決まったら、できるだけ早めに計画を立てるのが節約のコツです。
交通手段を工夫する
新幹線や飛行機だけが選択肢ではありません。高速バスや車で移動すれば交通費を大幅に節約できます。車での帰省は、人数が多いほど一人当たりの費用を抑えられるのがポイントです。
車移動の場合は長距離運転で疲れないよう、途中で休憩を取りながら移動できる余裕あるスケジュールを計画しましょう。
滞在中の食費を見直す
帰省中に親世帯が負担する出費の中で特に大きいのが食費です。負担を減らす工夫として、子ども世帯が手土産に食材を持参し、一緒に料理を作るという方法もあります。
自炊なら外食に比べて一人当たりの食費を3分の1程度に抑えられるので、まとまった人数・日数であれば1万円単位で節約できます。また、親子や孫と一緒にキッチンに立つ時間は帰省の思い出にもなるでしょう。
お互いが快適な帰省を実現するために
帰省は、家族が集まって絆を深められるかけがえのない時間です。しかしその裏で、帰省費用の負担が親子間のストレスになる場合もあるでしょう。親世帯が年金生活に入ると、大きな出費を続けるのは難しくなります。だからこそ早めに話し合い、家族全員が納得できるルールを作ることが大切です。
親世帯と子ども世帯がうまく協力して負担を分け合えば、気持ちにも財布にも余裕が生まれます。お互いに優しさを持って、笑顔で過ごせる帰省にしてください。
出典
株式会社ハルメク 子どもの帰省、親の負担相場は5万!?親子の経済事情
株式会社あおぞら銀行 シニアのリアル調査 (PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー