理想の物件が出るまで「審査&契約前キャンセル」を繰り返すという友人。どんどん審査が通りづらくなって「違約金」もありそうですが、契約前なら問題ないのでしょうか?
配信日: 2025.03.08

一般的には契約前のキャンセルなら違約金は発生しません。しかし、何度も契約前キャンセルを繰り返すと審査が通りづらくなったり、違約金が発生したりするという話を聞いたことはないでしょうか。
本記事では、賃貸物件の契約前キャンセルを繰り返したときに考えられる問題について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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契約前のキャンセルは本当に問題ないのか?
基本的に賃貸契約は、不動産会社などから重要事項の説明を受け、契約書に署名・捺印して初めて成立します。そのため、この契約前であればキャンセルしても法的な違約金を請求されることは少ないと言えるでしょう。
なお、契約前の申し込み段階で、家賃1ヶ月分程度、つまり数万円のお金を預かり金として不動産会社にいったん渡すケースもあります。これは契約する前であれば返還されますが、契約後にキャンセルすると戻ってきません。
繰り返しキャンセルするリスクとは?
契約前に一度キャンセルしたからといって違約金が発生したり、今後同じ不動産会社を利用しづらくなったりする可能性は高くありません。しかし、本記事の事例のようにキャンセルを繰り返した場合、さまざまなリスクがあります。
不動産会社やオーナーの信頼を失う
何度もキャンセルを繰り返していると、不動産会社やオーナーからの印象が悪くなります。オーナーが個人の場合は、一度のキャンセルで影響が出る可能性は低いかもしれませんが、大手企業が管理している物件では注意が必要です。
大手管理会社は複数の物件を扱っており、一度でもキャンセル履歴があると、同じ管理会社のほかの物件でも審査に影響を与えると考えられます。本記事のように、繰り返しとなると、より大きな影響が出るでしょう。
管理会社の「ブラックリスト」に載ってしまう可能性
キャンセルを繰り返すと、信用を失うだけでなく、管理会社側が独自のシステムを基に判断した、いわゆる「ブラックリスト」のような会社独自のリストに載せられてしまう可能性があります。
リストに載る可能性として考えられるのは、部屋を探している側が「確実に契約を締結する」と意思表示をしていたにもかかわらず、契約直前になってキャンセルしてしまうような場合です。自分の都合だけで相手を拘束し、さらに結果的に裏切ってしまうと、相手の準備や費用も無駄になってしまいます。
こうして、「信用できない客」のレッテルを貼られ、その後ずっと部屋探しする際に案内してくれないような事態は絶対に避けたいところです。
理想の物件を探す方法
「とりあえず審査に通しておく」という方法は、一見合理的に思えますが、長期的に見ると不利になることもあります。
では、理想の物件を見つけるために、どのような方法をとればよいのでしょうか?
まずは、自分が本当に求めている条件を明確にしましょう。「家賃」「駅距離」「築年数」など、譲れないポイントを整理し、無駄な申し込みを避けることが大切です。条件の中でも優先順位を付けることで、物件を選びやすくなります。複数の物件と契約する方向で話を進め、片方をキャンセルするようなこともなくなるでしょう。
また、本記事では度重なるキャンセルによって不動産会社からの信頼を失うリスクを紹介しましたが、反対に不動産会社と信頼関係をうまく築いていると、良い物件が出た際に優先的に紹介してもらえることもあるかもしれません。
キャンセルを繰り返すよりも、賃貸物件を一緒に探してくれた不動産会社を裏切るような行動を避ければ、長期的には有利に働くでしょう。
まとめ
賃貸物件の契約直前にキャンセルしても違約金は発生しないことが多いですが、繰り返すと不動産会社やオーナーからの信頼を失い、今後の物件探しに悪影響を及ぼす可能性があります。特に、大手の管理会社が扱う物件では、過去のキャンセル履歴が影響を与えることも考えられます。
理想の物件を見つけるためには、事前にリサーチし、安易に申し込んでキャンセルするのではなく、慎重に判断することが重要です。賃貸探しをスムーズに進めるために、計画的に動くことが望ましいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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