「海外旅行」に出かける「頻度」は、どのくらいが「一般的」なの？ 国土交通省のデータをもとに解説

近年、物価高騰や円安の影響で海外旅行者は減少傾向にあるようです。なかには海外の治安が気になる方もいるかもしれません。
 
そこで今回は、国土交通省のデータをもとに、海外旅行に出かける頻度や海外旅行に対する意識を紹介します。

海外旅行に出かける頻度は？

2005年に国土交通省が行ったアンケート調査によると、海外旅行に出かける頻度は以下の表1の通りです。
 
表1

年数回行く	10.9％
これまでに行ったことはある	66.1％
行ったことはないが、行きたいと思う	18.6％
海外旅行に行くつもりはない	4.3％

※国土交通省「「国土交通行政インターネットモニター」アンケート調査「観光立国の実現に向けて」の結果について」を基に筆者作成
 
最も多いのは、これまでに海外旅行に行ったことがあると回答した人が66.1％で、出かける頻度が高いと答えた人は10.9％と少数派です。また、海外旅行に行きたいけど行けていないという理想と現実が異なる人が18.6％いました。
 
年代では、最も海外旅行の経験がある層は、30代で72.3％、最も少ないのが20代で49.1％です。また年に数回行くという回答は、70代が最も多く、18.8％という結果でした。
 

海外旅行に対する意識

次に、海外旅行に対する意識を見ていきましょう。国土交通省「国土交通白書 2013」の「旅行の動向」によると、20代と30代前半の出国率が減少傾向にあり、特に20代後半の出国率が大幅に減っています。
 
若者が海外旅行を敬遠する理由として考えられるのは、以下の通りです。

●海外旅行の旅行代金が高過ぎる
●余暇・趣味にかけるお金がない
●海外旅行よりも他のレジャー・趣味に優先的にお金をかけている
●長期休暇が取りにくい

海外旅行の頻度は、個人の意識が大きく影響する可能性があります。旅行回数が少ない人のなかには、海外旅行に価値を見いだせない人が多くいるかもしれません。海外旅行で楽しい思い出や印象深い体験ができた人は、次の海外旅行への動機付けができると考えられます。
 

海外旅行にかける費用

では、海外旅行には一般的にどれくらいの旅費をかけているのでしょうか。2024年の国土交通省観光庁「旅行・観光消費動向調査」の結果をもとに、表2を作成しました。なお、今回は「観光・レクリエーション」を目的とした海外旅行に限定しています。
 
表2

旅行した月	旅行単価
1月	34万4645円
2月	29万8273円
3月	28万6924円
4月	24万8204円
5月	35万4786円
6月	29万8398円
7月	30万7694円
8月	42万8961円
9月	27万2568円
10月	26万1964円
11月	32万8417円
12月	33万4652円

※国土交通省観光庁「旅行・観光消費動向調査 」を参考に筆者作成
 
海外旅行をする場合、渡航先やプランにもよりますが、30万円以上の旅費を準備している人が多い傾向にあるようです。そのため、30万円は一定の目安となるかもしれません。
 

海外旅行の頻度は人それぞれ

海外旅行をする頻度は、年齢や職業など属性による違いのほかに、旅費の調達や休暇の取り方、海外への関心度など、個人によって異なると考えられます。
 
円安や物価高騰の影響で海外旅行を計画しにくい状況が続いていますが、ライフスタイルや価値観に合わせて海外旅行の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
 

出典

国土交通省　「国土交通行政インターネットモニター」アンケート調査「観光立国の実現に向けて」の結果について
国土交通省　国土交通白書 2013 第3節　動き方の変化 （６）旅行の動向
国土交通省観光庁　旅行・観光消費動向調査
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー