毎月「500キロ以上」車に乗っているため、「ガソリン代」の負担がきついです…。「ガソリン補助金」が縮小されたようですが、補助金がなくなるといくら負担が増えそうですか?
配信日: 2025.03.10 更新日: 2025.03.11

一方、政府は「燃料油価格激変緩和補助金」、いわゆる「ガソリン補助金」を段階的に見直す方針を示しました。もし補助金が廃止されると、いくらくらい負担が増えるのでしょうか。当記事では「ガソリン補助金」について詳しく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
燃料油価格激変緩和補助金(ガソリン補助金)は段階的に縮小に
令和4年1月に開始した「燃料油価格激変緩和事業」ですが、内閣府によると、政府は令和6年11月22日に閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」のなかで、「燃料油価格の激変緩和事業については、本経済対策策定後の12月から、出口に向けて段階的に対応する」方針を示しました。
経済産業省資源エネルギー庁によれば、具体的な支給額は、基準価格をガソリン全国平均価格の168円とした上で、基準価格から17円を超える部分は全額補助し、17円以下の部分については、
●令和6年12月19日から令和7年1月15日までは補助率30%
●令和7年1月16日からは補助率0%
とするとのことです。
基準価格から17円を超える部分についても、月の価格変動が5円程度となるよう、原則月3分の1ずつ補助率を段階的に見直すこととしています。
「ガソリン補助金」が縮小される背景
補助金縮小の背景にあるのは、財政の圧迫や脱炭素社会の実現などです。
実際、政府は前述の経済対策のなかで「ガソリン補助金」はあくまで緊急措置であり、カーボンニュートラルの実現が本旨であることを示しています。
補助金の支給は逆効果になる可能性もあり、持続可能なエネルギー政策への転換が求められるなか、日本政府も令和6年11月に「補助金の見直し」を含む経済対策を閣議決定しました。
「ガソリン補助金」が廃止されるといくらくらい負担が増える?
実際に補助金が廃止されると、家計の負担はいくらくらい増えるのでしょうか。
経済産業省資源エネルギー庁の「燃料油価格激変緩和補助金」特設サイトによると、令和7年3月6日~3月12日の支給単価は「9.4円」となっています。補助金により、補助がない場合のガソリン価格「197.5円/リットル」に対し、実際のレギュラーガソリン全国平均価格は「184.1円/リットル」に抑えられているようです。
一方、国土交通省の「自動車燃費一覧(令和6年3月)」によると、令和4年度のガソリン乗用車のWLTCモード燃費平均値は「19.4キロメートル/リットル」となっています。
そこで、ここでは燃費「19.4キロメートル/リットル」の車に毎月「500キロメートル」乗った場合のコストを考えてみましょう。実際のガソリン代と補助金がない想定のガソリン代の年間コストを計算すると、表1のような結果となりました。
表1
実際のガソリン代 (184.1円/リットル) |
補助金がない想定のガソリン代 (197.5円/リットル) |
|
---|---|---|
1ヶ月のガソリン代 | 約4745円 | 約5090円 |
年間のガソリン代 | 約5万6940円 | 約6万1080円 |
※筆者作成(令和7年3月7日現在)
表1の結果より、補助金が廃止されると年間「約4140円(約6万1080円-約5万6940円)」負担が増える可能性があるようです。
まとめ
今回は「ガソリン補助金」について解説しました。令和4年にスタートした「ガソリン補助金」ですが、財政の圧迫や脱炭素社会の実現に向け、段階的な見直しが進められています。実際に補助金が廃止されると、「年間約4000円程度」負担が増える可能性があるようです。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和補助金
内閣府 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」について 第2章 国民の安心・安全と持続的な成長に向けた具体的施策 第2節 物価高の克服(44ページ)
国土交通省 自動車燃費一覧(令和6年3月) 2.(1)ガソリン乗用車のWLTCモード燃費平均値の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー