70歳でも年金だけで暮らせない父。応募したバイトは、まさかの「闇バイト」!? 親が「加害者」になってしまわないように、家族ができることとは

配信日: 2025.03.12 更新日: 2025.09.26
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70歳でも年金だけで暮らせない父。応募したバイトは、まさかの「闇バイト」!? 親が「加害者」になってしまわないように、家族ができることとは
これまで「闇バイト」への従事は若者の問題とされてきましたが、最近では60~70代のシニア層にも影響が広がっています。2023年の国民年金の平均受給月額は受給資格期間が25年以上ある人で5万3000円~5万8000円となっており、厚生年金がない自営業者などにとっては年金だけでは生活が厳しいという状況が続いています。
 
本記事では、シニア層が巻き込まれる「闇バイト」の手口と、家族ができる具体的な対策を紹介します。
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1時間で8万円稼げる仕事? 父親が見つけた怪しい求人とは

東京都特殊詐欺加害防止サイトによると、「高価買取・簡単作業」といった言葉で興味を引き、実際には口座の買取を持ちかけるケースが確認されています。
 
一度口座を提供すると、特殊詐欺やマネーロンダリングに悪用される可能性が高く、提供者自身も犯罪収益移転防止法違反の疑いをかけられ逮捕されるリスクを伴うでしょう。
 
父親が見つけた「1時間で8万円」の求人も、この手口の一例でした。「簡単な手続きだけ」と安心させながら、知らぬ間に犯罪に加担させる巧妙な罠が仕掛けられているのです。
 

「ただの荷物運び」ではない? 運んだ段ボールの中身は現金かも

以前は若者が中心でしたが、最近では「年齢不問」とする求人が増え、50代以降のシニア世代が闇バイトに応募するケースも出てきているようです。
 
これは、特殊詐欺の「劇場型」手口が複雑化し、かけ子や受け子の役割が細分化される中で、高齢者のメンバーを必要とするケースが増えているためと考えられます。
 
注意すべきなのが、「荷物を運ぶだけ」「段ボールを届けるだけ」といった簡単な作業に見せかけ、実際には詐欺で騙し取った現金を運ばせるケースです。実際にあった例では、84歳の男性が特殊詐欺の受け子として約1600万円を受け取り、逮捕されました。2023年6月には懲役3年6ヶ月の実刑判決を受けています。
 

親が危険なバイトに応募する前に! 家族ができる予防策とは

シニア世代が犯罪に巻き込まれないために、家族ができる予防策として次の点を意識しましょう。
 

怪しい求人の特徴を共有する

一見単純な仕事でも犯罪に関わる危険があります。「高収入」「簡単作業」「年齢不問」といった求人は慎重に確認し、親にも注意を促しましょう。また、時給の記載がない、作業内容が不明確、依頼会社が不透明な場合も要注意です。
 

親の仕事探しをサポートする

家族が積極的に親の仕事探しをサポートすることが大切です。求人情報を一緒に探すことで、危険なバイトへの応募を未然に防ぐことができます。
 
また、シニア向けの公的な就業支援サービスを活用することで、安全な職場を見つけやすくなります。自治体やハローワークは、年齢に応じた仕事を紹介したり、相談窓口を設けたりしているため、うまく活用するよう、親にアドバイスしてみましょう。
 

普段からお金の悩みを話せる環境を作る

生活費に不安を感じると、リスクが伴う求人に飛びつきがちです。そのため、普段から親とお金の悩みを気軽に話せる関係を築くことが重要です。
 
定期的に親の生活状況を確認し、困ったときにはすぐに相談できる環境を整えましょう。家族でお金の管理や生活費について意識を共有することも大切です。
 

詐欺や違法バイトの情報をチェックする

警視庁や消費者庁のサイトでは、最新の詐欺手口や違法バイトの情報が公開されています。親と一緒にニュースをチェックし、実際の事例を知ることで警戒心が高まります。
 

まとめ

実際のケースでは、誰にも相談せず最悪の事態に発展することが多いです。そのため、家族間で相談し合える環境が最も重要です。政府も警鐘を鳴らしており、早期の相談を呼びかけています。子どもが警告しても本気にしない場合は、疑念が生じた時点で警察や行政機関に相談することが大切です。
 

出典

厚生労働省年金局 令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概要
東京都 特殊詐欺加害防止特設サイト
警察庁 いわゆる「闇バイト」の危険性について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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