年中使用できる「オールシーズンタイヤ」は「スタッドレス」の代わりになる? 冬の「路面凍結」でも心配はない?

配信日: 2025.03.12

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年中使用できる「オールシーズンタイヤ」は「スタッドレス」の代わりになる? 冬の「路面凍結」でも心配はない?
雪のあまり降らない都市部や非降雪地域の方だと、年に数度の降雪のためだけにスタッドレスタイヤと交換するのは手間も費用もかかり、できれば避けたいと考えるかもしれません。
 
しかし、夏用タイヤのままだと、冬特有の路面状態になると安全の確保が難しい可能性があるでしょう。交換するべきか悩みながらも、タイヤ交換をされている方もいるのではないでしょうか。
 
オールシーズンタイヤは、名前の通り一年中使用できるとされているタイヤのことで、少々の積雪であれば、雪道でも走行できるといわれています。しかし、凍結してしまった道路や深い雪道でも心配ないのでしょうか。
 
そこでこの記事では、オールシーズンタイヤについて費用相場や耐久性を解説するとともに、スタッドレスタイヤの代わりになるのかについても検証します。
FINANCIAL FIELD編集部

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オールシーズンタイヤの特性

オールシーズンタイヤとは、夏用タイヤと冬用タイヤの中間的な性能を持つように設計されたタイヤで、両方の特徴を併せ持っているようです。晴天、雨天、軽い降雪時の路面にも対応できるため、あまり雪が降らない都市部や非降雪地域では、突然雪が降っても対応できる可能性のある便利なタイヤです。
 
ただし、連続した降雪や積雪が多い地域では、スタッドレスタイヤほどの性能を発揮できないため、オールシーズンタイヤを過信しないよう注意が必要です。
 

冬用タイヤとしての特徴

オールシーズンタイヤには、M+S(マッドアンドスノー)や3PMSF(スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク)が側面に表示された製品があります。M+Sは、ぬかるみを意味するマッド、雪を意味するスノーの頭文字で、浅い雪での性能に配慮した製品ですが、冬用タイヤとしての認証はないようです。
 
一方、3PMSFマーク付きのタイヤは、欧州で冬用タイヤとして認証されており、日本の「冬用タイヤ規制」下では走行が可能とされているようです。
 
こうした特性から、次のような方におすすめです。

●突然の降雪や積雪でも慌てずに走りたい方
●チェーンの装着が苦手な方
●季節に合わせて交換したタイヤの保管場所に困る方
●交換が面倒という方

しかし、雪が深くなったり路面が凍結したりした際に「全車両チェーン装着規制」が出た場合は、別途チェーンを装着する必要があります。
 

オールシーズンタイヤの耐久性

オールシーズンタイヤの耐久性は、夏用タイヤと同程度で3年から5年、または走行距離で3万キロメートルから5万キロメートルのようです。車の使用状況や保管状況により、タイヤ寿命は変動する可能性があるため、早く劣化する場合もあるでしょう。
 

オールシーズンタイヤの費用相場

オールシーズンタイヤの費用相場は、サイズやブランドによって異なるようです。価格.com(2025年3月5日時点)によると、オールシーズンタイヤを取り扱う主要ブランドの費用相場は、以下の通りです。

●ブリヂストン:4万6200円
●ダンロップ:5390円~6万9630円
●ヨコハマ:6640円~4万700円
●グッドイヤー:5830円~6万900円
●ミシュラン:7500円~7万5050円

 

オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤの代わりになる?

オールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤの代わりとしては推奨できません。性能の違いから積雪地域での使用では安全性の懸念があるためです。
 
スタッドレスタイヤは、凍結した路面や深い積雪に対して特化した設計がされているとされています。そのため、路面が凍結した状態の道路でも、高いグリップ性能を持つことが特徴です。しかし、オールシーズンタイヤは、軽い雪には対応するものの、凍結路面では夏用タイヤ同様に滑りやすく、制動距離は長くなる傾向にあるようです。
 
JAF(日本自動車連盟)が発表している時速40キロメートルからの制動距離テストによると、氷盤路での制動性能は以下の通りです。

●夏用タイヤ:105.4メートル
●オールシーズンタイヤ:101.1メートル
●スタッドレスタイヤ:78.5メートル

この結果から、オールシーズンタイヤは氷上では夏用タイヤとほとんど変わらない性能であり、スタッドレスタイヤと比較すると20メートル以上も制動距離がのびることが分かります。
 

厳しい冬の条件下でのオールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤの代わりには不向き

厳しい冬の条件下でのオールシーズンタイヤの使用は、安全性の懸念があるためスタッドレスタイヤの代わりにはならないと考えられます。特に路面が凍結する地域や深い積雪の地域では、安全面からもオールシーズンタイヤの使用は避けた方がよいでしょう。
 
居住地域の気候や走行条件を考慮して、適切なタイヤを選択するようにしましょう。
 

出典

一般社団法人日本自動車連盟(JAF) [Q]「オールシーズンタイヤ」って、どんなタイヤですか?
価格.com オールシーズンタイヤ ブリヂストン(BRIDGESTONE)のタイヤ 製品一覧
価格.com オールシーズンタイヤ ダンロップ(DUNLOP)のタイヤ 製品一覧
価格.com オールシーズンタイヤ YOKOHAMA(ヨコハマ)のタイヤ 製品一覧
価格.com オールシーズンタイヤ グッドイヤー(GOODYEAR)のタイヤ 製品一覧
価格.com オールシーズンタイヤ MICHELIN(ミシュラン)のタイヤ 製品一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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