私立高校への進学を志望しているわが家の貯金は「150万円」。高校無償化の対象だと助かるのですが、私立高校でも適用されますか?
配信日: 2025.03.14

そこで本記事では、高校無償化についてと、私立高校に入学する場合の具体的な援助内容について解説します。私立高校入学時にかかる費用についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高校無償化について
高校無償化は、正式な制度名を「高等学校等就学支援金」といい、一定の要件を満たす家庭の高校生などに対し、授業料が給付される助成制度です。
給付対象となるのは、国内に住んでいる高等学校・特別支援学校の高等部・高等専門学校・専修学校の高等課程などに通う生徒で、国公私立は問いません。ただし、一定の世帯年収を超える場合、給付の対象外になるケースもあります。
給付額は入学する高校の種類と世帯年収で計算されます。なお、新入生は手続きが必要な時期に学校から案内があるので、必ず確認してください。
この制度は授業料を助成するものです。授業料以外の援助が必要な場合は、「高校生等奨学給付金」などがあります。
私立高校に入学する場合
私立高校に入学する場合の援助内容と、私立高校入学時にかかる費用について解説します。
私立高校入学の助成内容
令和2年4月より、私立高校等に通う人への援助金額が引き上げられました。また、対象となる方の判定基準には、令和2年7月以降より、世帯収入を基にした以下の計算式を使います。
「市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額」
この式により計算された金額が、15万4500円未満だった場合は「最大39万6000円」の給付額となり、15万4500円以上30万4200円未満だった場合は「11万8800円」の給付額となります。
例えば、年収目安が約590万円未満の世帯では、上限額が39万6000円まで引き上げられます。
なお、2025年4月からは公立高校、私立高校ともに「11万8800円」の所得制限を撤廃すること予算案について自民党・公明党・日本維新の会の3党が合意したようです。
また、2026年4月からは私立高校を対象に上限額39万6000円の引き上げと所得制限の撤廃も行うことについても合意があったため、今後は多くの世帯が支援金を受給できるようになる可能性が高いでしょう。
私立高校入学にかかる費用
文部科学省が公表する、令和3年度「令和3年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」を基に、私立高校入学の際にかかる費用の目安を表1にまとめました。
表1
私立高校 | |
---|---|
授業料 | 44万1101円 |
入学料 | 16万3279円 |
施設設備費等 | 14万8315円 |
合計 | 75万2696円 |
出典:文部科学省「令和3年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」を基に筆者作成
私立高校に入学する際、初年度に約75万円の支払いがあります。多く見積もっても80万円ほどの用意が必要になるでしょう。もちろん、進学する学校によって金額は異なりますので、あくまで目安です。
150万円の貯金で私立高校の初年度の支払いはできますが、入学前に制服や学用品の購入や通学のための費用など、ほかにも出費はあります。支出項目を事前にリスト化しておくといいでしょう。
この資料で見ると、高等学校等就学支援金を最大額の39万6000円でもらったとしても、授業料を全額充当することはできないことが分かります。私立高校の場合は、必ずしも授業料が全額援助されるわけではないことを把握しておきましょう。
高校無償化は、私立高校でも利用できる。ただし授業料が給付額をオーバーする可能性もある。
高校無償化は、条件を満たせば国公私立関係なく受けられる授業料の助成制度です。ただし、世帯収入や通学する学校の種類で、給付金額が変わります。
また、私立高校に入学する際の初年度の費用は約75万円です。150万円の貯金で、初年度の費用は支払えますが、入学前の準備費用もあるでしょう。私立高校の場合は、給付される金額よりも授業料が高いケースもあるかもしれません。
高校無償化の利用でいくらの給付になるのか、入学予定の高校の授業料はいくらなのか、情報を集めたら計算し、どのくらいの金額が必要であるか事前に把握できるといいでしょう。
出典
文部科学省 令和3年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー