賃貸マンションに「定期借家契約」で入居! 大家さんに「よほどのことがなければ更新できる」と言われたのに、2年後に退去を命じられた! 本当に退去する必要はあるのでしょうか?
配信日: 2025.03.15

本記事では、定期借家契約の賃貸を利用し続けるために必要なことを解説します。興味を持った人は、ぜひ最後までご覧ください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定期借家契約とは
そもそも定期借家契約とは、あらかじめ契約期間が決まっている賃貸借契約のことで、正式名称は定期建物賃貸借契約です。契約期間に制限が設けられていない点が特徴で、数ヶ月の短期契約から数年単位の長期契約まで、貸主側が自由に契約期間を決められます。
契約をする際は書面で契約を交わさなければならず、一般的には公正証書を用います。
普通借家契約との違いは?
賃貸借契約には、定期借家契約以外に普通借家契約もあります。普通借家契約は、定期借家契約と異なり契約期間に下限が設けられており、1年以上の長期契約をしなければなりません。基本的に貸し手に有利な契約のため、相場よりも賃料が安く設定されている場合が多いです。
また、契約は口約束でも法律上は問題ない点も、普通借家契約の特徴として挙げられます。ただし、契約後のトラブルの発生を防ぐためにも、書面で契約を交わすのが一般的です。
定期借家契約の賃貸の利用を続けるためには?
今回のケースにおいて、定期借家契約の賃貸の利用を続けるためには、貸し手と借り手、双方が合意して再契約を結ばなければなりません。つまり、大家から退去を命じられれば、それを拒否するのは難しいでしょう。
そもそも定期借家契約は、契約期間が終わった時点で契約が終了します。つまり、更新の概念がありません。
そのため、利用を続けるためには、再度新しい契約を結ぶ必要があります。ただし、新しい契約の内容に貸し手、または借り手が納得できない場合、再契約は成立しないため、借り手は定期借家契約を結んだ賃貸からすぐに退去しなければなりません。
再度定期借家契約を結ぶためのポイント
契約期間終了後も定期借家契約を結んだ賃貸を利用し続けたい場合は、再契約を結ぶしかありません。以下では、再度定期借家契約を結ぶためのポイントについて解説します。
事前に再契約について話し合っておく
定期借家契約を結ぶ前に、再契約の条件や再契約ができる可能性などについて聞いておきましょう。具体的な条件が分かっていれば、対策も立てやすいです。
後になってから、話した、話していないといった水掛け論になることを防ぐためにも、大家が説明した再契約に関する内容は書面や音声記録で残しておきましょう。
問題を起こさない
再契約の可能性を高めるために、賃貸を利用している間は大きな問題を起こさないようにしましょう。貸し手のオーナーや管理会社は、所有する不動産を貸すなら、素行に問題のない人物がよいと考えるものです。
ルールを守り、不動産を大切に扱っていることが分かれば、再契約を結んでくれる可能性は高まるでしょう。
合意が得られなければ再契約は諦めたほうがよい
以上、定期借家契約について取り上げてきました。定期借家契約は普通借家契約よりも好条件で契約を結べる場合が多いため、可能であれば契約が終わったあと再契約を結びたいと考える人は少なくありません。
しかし、どれだけ借り手が再契約を望んでも、貸し手の合意が得られなければ再契約は結べません。交渉次第で再契約を結んでもらえる可能性もありますが、合意が得られなかった時点で、諦めてほかの賃貸を探したほうがよいかもしれませんね。
出典
e-Gov法令検索 借地借家法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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