自宅の玄関に「防犯カメラ」を設置! ご近所さんから「ウチも映ってしまう!」と言われたのですが、防犯目的でも“プライバシーの侵害”になる? 注意点を確認
配信日: 2025.03.15

代表的な防犯対策としては、防犯カメラの設置が挙げられます。しかし、防犯カメラを設置したことで、ご近所さんから「カメラに自宅が映っている! 」「プライバシーの侵害だ! 」とクレームを入れられるケースも少なくありません。
そこで本記事では、自宅に防犯カメラを設置するとプライバシーの侵害に該当するのか、また該当した場合どうなるかについて解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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防犯カメラの設置とプライバシーの侵害
結論から述べると、盗撮や個人情報の収集など、悪意を持って防犯カメラを設置するのではなく、防犯目的で防犯カメラを設置するのであれば、基本的にはプライバシーの侵害に該当しません。
ただし、防犯カメラが以下のような情報を取得、公開した場合は、プライバシーの侵害が成立する可能性があります。
・私生活に関する内容
・これまで他人が知らなかった内容
・撮影された人が「公開してほしくない」と思う内容
プライバシーの侵害と判断されるとどうなる?
プライバシーの侵害と判断された場合、損害賠償請求を受ける可能性があります。損害賠償請求を受けると、金銭的な損失はもちろん、訴訟を起こされたことによる社会的なイメージの低下も免れないでしょう。
また、映像の公開によって他人の名誉を傷つけた場合は刑法230条で定められた名誉毀損に該当するとみなされ、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
防犯カメラを設置するにあたって押さえておきたい注意点
防犯カメラが原因でプライバシーの侵害が成立するケースは、決して珍しいものではありません。そのため、防犯カメラを設置する際は、近隣の人のプライバシーを侵害しないように、以下の点に注意しましょう。
隣家を映さない
防犯カメラを設置する際は、隣家を映さないようにしてください。防犯カメラがご近所の敷地内を撮影できるような場所に設置されていると、誤解を招きかねません。そのため、防犯カメラはご近所の敷地を向かないような場所に設置しましょう。
プライバシーマスクを利用する
どうしても防犯カメラが広範囲を撮影してしまう場合は、プライバシーマスクの利用も検討しましょう。
プライバシーマスクとは、撮影する映像の一部を黒くマスキングする機能のことです。この機能を利用すれば、近隣の人のプライバシーを侵害せずにすみます。
ただし、防犯カメラの機種によってはプライバシーマスク機能が搭載されていない場合もあります。防犯カメラを購入する前に、プライバシーマスクが利用できるか否か、しっかり確認しておきましょう。
ご近所さんを説得する
思わぬトラブルを防ぐためには、あらかじめご近所に説明することも大切です。防犯カメラを設置する旨を伝え、防犯カメラが双方にどのようなメリットとデメリットを与えるか説明しましょう。
理解が得られれば防犯カメラを設置しやすくなりますし、万一理解が得られなくても、話し合いによって双方の妥協点を見つけられる可能性は残ります。
近隣への配慮を忘れてはいけない
防犯カメラは強盗の侵入を防ぐ効果があるのはもちろん、万一犯罪が発生したときは映像記録を証拠として活用できます。しかし、近隣の人からすれば、何を撮影しているか分からない機械が自宅の方向に向けられるのは、決して気分がよいものではありません。
プライバシーの侵害として訴えられないためにも、防犯カメラを設置するときは設置場所や角度に注意しつつ、必要に応じて十分な説明を近隣の人にはするようにしましょう。
出典
e-Gov 法令検索 刑法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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