病院で“紹介状”を書いてもらったら5000円!? 友人は「2500円」だったそうですが、なぜ違うのでしょうか？

「大きな病院の意見も聞いてみたい」「病状が近くの病院では対応しきれないため大病院を紹介された」などの理由で紹介状を作成してもらうケースがあります。紹介状の作成には費用がかかりますが、目的により金額が異なる可能性があるため、よく確認しておきましょう。
 
今回は、紹介状の費用の決まり方や内容などについてご紹介します。

紹介状の費用の決まり方

病院で渡される紹介状の費用は、通常「診療情報提供料」として診療報酬点数が250点かかります。公益社団法人日本医師会によると、診療報酬点数は1点につき10円のため、紹介状を受け取るためには「250点×10円」で2500円かかります。
 
さらに、セカンドオピニオンを受けるために紹介状を書いてもらう場合の費用はおおむね5000円です。もしも知り合いと紹介状の費用が違うときは、知り合いがセカンドオピニオンではなく、病状に応じてほかの医療機関での受診が必要になったためなどの理由が考えられます。
 
費用の違いが気になるのであれば、可能なら知り合いに紹介状を書いてもらった経緯を聞くとよいでしょう。
 
なお、基本的に紹介状も保険適用の範囲内です。3割負担であれば、2500円の紹介状なら750円、5000円なら1500円が実際に負担する金額になります。病院で受け取った領収書で確認してみましょう。
 

セカンドオピニオンの費用は保険適用外

セカンドオピニオンでほかの医療機関を訪れる場合、想定より費用がかかったと感じる方もいるでしょう。セカンドオピニオンは「診察」ではなく「相談」なので、保険適用外です。
 
そのため、相談をしたときの費用は全額自己負担になります。病院によって費用設定は異なりますが、「1時間で3万円」「30分で1万～1万5000円」といった費用設定をしているところもあります。
 
3割負担のつもりでお金を用意していると支払い時に困る可能性があるので、少し多めに用意しておきましょう。
 

紹介状に書かれている内容とは？

紹介状には、おもに以下の内容が記載されています。

・患者の基本情報
 
・紹介する理由
 
・患者の病状
 
・治療経過
 
・検査結果
 
・既往歴
 
・服用している薬　など

紹介状を読むことで、紹介された医療機関が患者の状態をすぐに把握できるようになっています。紹介先でスムーズに医療情報を把握できるので、患者に再度症状を聞いたり検査をしたりといったことを減らせます。
 
患者と医療機関双方の負担を軽減できるでしょう。
 

紹介状なしで診察を受けると追加で費用がかかる可能性も

紹介状なしでも大学病院や総合病院での受診は可能です。しかし、紹介状がない状態で大病院の診療を受けると、通常の診察費に加えて「特別の料金」も発生します。
 
政府広報オンラインによると、特別の料金の額は以下の通りです（令和4年10月以降）。

・歯科での初診：5000円以上
 
・歯科以外での初診：7000円以上
 
・歯科での再診：1900円以上
 
・歯科以外での再診：3000円以上

特別の料金は保険適用外になるため、患者が全額自己負担します。紹介状ありだと紹介状の費用750円（3割負担の場合）に病院の受診料がかかるだけなので、可能であれば紹介状ありで大病院を受診した方が費用負担は軽くなるでしょう。
 
ただし、特別の料金には救急患者や災害、労災、交通事故、自費診療などの患者は含まれません。
 

通常の紹介かセカンドオピニオンかで費用が変わる

かかりつけ医から大病院へ医療機関を変更しなければならないときや、セカンドオピニオンを利用したいときなどは、紹介状の作成が必要です。病状などが原因で医療機関を変更する場合には紹介状の診療報酬は2500円ですが、セカンドオピニオンが目的の紹介状作成は5000円程度かかります。
 
もし知り合いと紹介状の費用が異なっていた場合は、自身がセカンドオピニオン目的、知り合いは病状による医療機関の変更であった可能性があるでしょう。
 
なお、紹介状を持たずに大病院で受診すると、初診なら7000円以上の追加費用が発生する場合があります。救急車を呼ぶような緊急事態でない限りは、紹介状を受け取ってから受診した方が安くすむでしょう。
 

出典

公益社団法人日本医師会 なるほど！診療報酬
政府広報オンライン 紹介状なしで大病院を受診すると特別の料金がかかります。診療所や病院を適切に使い分けましょう。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー