シングルマザーです。子どもが美容師になりたいと専門学校への進学を希望しています。どこの専門学校に行っても奨学金は借りられますか?
配信日: 2025.03.19

「専門学校がたくさんあって迷っています。どこの専門学校に行っても奨学金は借りられるのでしょうか? 」との質問に対し、FPが奨学金の内容や借りる際の注意点などを添えてお答えします。

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
奨学金の種類を確認
まずは、奨学金の種類について整理をしましょう。奨学金は主に、日本学生支援機構の奨学金、地方自治体の奨学金、専門学校独自の奨学金、財団法人など法人の奨学金があります。
<日本学生支援機構の奨学金>
最も一般的な奨学金で、多くの学生が利用しているのが日本学生支援機構の奨学金です。
給付型の奨学金は返済不要の奨学金で、国の「高等教育の修学支援新制度」によって、奨学金に加えて入学金や授業料の支援も受けられます。「高等教育の修学支援新制度」は主に住民税非課税世帯や住民税非課税世帯に準ずる世帯向けの制度のため、収入基準は厳しめになっています。
一方、貸与型の奨学金は返済が必要な奨学金で、給付型奨学金より収入基準はゆるめになっています。多くの専門学校で、日本学生支援機構の奨学金を利用できます。
<地方自治体の奨学金>
地方自治体も、独自の奨学金制度を設けている場合があります。
給付型、貸与型どちらを実施しているかは自治体によって異なり、また、日本学生支援機構の給付型奨学生の場合は自治体の奨学金の対象とならない自治体もあれば、両方の奨学金を利用できる自治体もあり、自治体によって制度内容はさまざまです。お住まいの都道府県や市区町村の奨学金制度について調べてみることをおすすめします。
<専門学校独自の奨学金>
専門学校でも、独自の奨学金制度を設けている場合があります。成績優秀者や経済的に困窮している学生を対象としたものなど、貸与型もあれば給付型もあり、学校によって異なります。
<財団法人など法人の奨学金>
財団法人などの法人が実施する奨学金制度もあります。特定の条件を満たす学生に給付または貸与される奨学金で、こちらも法人によって選定基準や内容はさまざまです。
美容系の奨学金制度
先に述べた奨学金に加えて、美容室チェーンや美容メーカーが提供する奨学金制度があります。
<EARTH 美容育英財団>
卒業高校における評定平均値が3.5以上であり、世帯収入が一定金額以下である美容系専門学校の学生に対して給付型奨学金を実施しています
<リジョブ奨学金>
リジョブ会員の美容専門学生向けに1年間給付型奨学金が支給されます。翌年、美容専門学校を卒業する学生が対象のため、今回の相談者は応募対象にはなりませんが、お子さんが美容系の専門学校に入学して、卒業の前年になれば応募できます。その他、世帯年収が一定以下などの条件があります。
<KINUJO奨学生制度>
ビューティーアート専門学校の美容師養成課程の入学者に対して、30万円が給付される返済不要の奨学金です。ヘアケア家電のKINUJOが実施する奨学金制度です。
<東京美容専門学校>
総合選抜の入学者や学校推薦の入学者は入学金から10万円が免除されます。
<マリールイズ美容専門学校>
成績優秀者に5万円が給付されます。選考は1年に1回行われ、各学年の20%が対象者です。
奨学金の申込期間に注意
奨学金を利用できる専門学校はたくさんあります。まずは、希望している専門学校のホームページでどのような奨学金制度が利用できるか確認してみましょう。ただし、奨学金は申込期間が決まっています。早めに情報を入手し、申し込みできる奨学金を見つけ、申込期間内に必ず申し込みをするようにしましょう。
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士