4月から息子が大学に進学しますが、世帯年収が「420万円」で4年間学費を払えるか不安です。子どもを大学に通わせる家庭の年収はいくらくらいでしょうか?
配信日: 2025.03.21

今回は、大学4年間の学費や大学生のいる家庭の平均年収、収入だけで学費を払えないときの対応などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学4年間で必要な学費はいくらくらい?
大学の学費は、進学先が国立、公立、私立のいずれかで大きく変動します。文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、令和5年度における国立大学の入学料と授業料の標準額、公立・私立大学の平均入学料および授業料は表1の通りです。なお、公立大学は地域外からの入学者を対象にした平均です。
表1
入学料 | 授業料 | |
---|---|---|
国立大学 | 28万2000円 | 53万5800円 |
公立大学 | 37万4371円 | 53万6191円 |
私立大学 | 24万806円 | 95万9205円 |
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
仮に授業料を4年間同じだけ支払ったとすると、入学料と授業料の総合計は国立大学が242万5200円、公立大学は251万9135円、私立大学は407万7626円です。大学用の貯金として450万円ほどあると余裕を持てるでしょう。
ただし、これらの金額は学部が限定されていません。例えば、実習や実験の多い理系学部に進学する場合は、文系学部に進学するよりも多くの学費が必要でしょう。とある大学では社会学部の初年度納入金合計が117万9000円なのに対し、工学部は175万1000円が必要です。初年度だけで57万2000円の差になります。
大学生のいる家庭の平均年収は?
独立行政法人日本学生支援機構が実施した「令和4年度学生生活調査」によると、大学区分ごとの家庭の年間平均収入は以下の通りです。
●国立大学(昼間部):847万円
●公立大学(昼間部):714万円
●私立大学(昼間部):864万円
平均収入と比較すると、年収420万円は少ないほうといえるでしょう。しかし、年収が平均より少なくとも貯金ができたり親せきから支援を受けたりできるなら、子どもの学費は賄える可能性があります。
金融広報中央委員会 知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、世帯主夫婦と子どものみの世帯で年間手取り収入からの貯金割合は、「貯蓄しなかった」を除くと10~15%未満が最も多い結果でした。
もし手取り年収が420万円の場合で毎年10%を貯金に回すと1年で42万円貯金できます。家計の状況にもよりますが、可能であれば少しずつでも収入から貯金に回して学費を貯めておきましょう。
収入だけでは学費を賄いきれないときは奨学金の利用を検討する
家計の状況からも多額の貯金が難しい場合は、奨学金の利用も検討しましょう。
独立行政法人日本学生支援機構では、無利子もしくは有利子の貸与奨学金と、返済がない給付奨学金の2種類を扱っています。世帯年収や学力などによって利用できる奨学金の種類が異なるので、よく確認しておきましょう。
また、大学が独自の奨学金制度を提供しているケースもあります。とある大学では、通常の奨学金のほか、留学時の奨学金も利用できます。
奨学金の利用を検討する際は、複数の制度を比較して決めるとよいでしょう。
大学生のいる家庭の平均年収は700万~800万円後半
文部科学省の資料によると、大学の4年間の学費は国立大学で242万5200円、公立大学は251万9135円、私立大学だと407万7626円でした。なお、この金額はもし平均の授業料を4年間支払った場合なので、学部や大学によっては変動する可能性があります。
また、独立行政法人日本学生支援機構の調査によると、大学生の子どもを持つ家庭の平均年収は700万~800万円後半です。年収420万円では平均より少ないといえるでしょう。
しかし、平均年収より少なくても貯金をしたり奨学金を活用したりすれば、学費は工面できる可能性があります。家計状況に応じて、家庭に合った方法で学費を用意すれば問題ないでしょう。
出典
文部科学省 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果 II. 調査結果の概要 5. 家庭の年間平均収入額(10ページ)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号8 年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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