子どもが大学進学のために上京します。引っ越し先の「敷金」「礼金」などは交渉して値下げできるのでしょうか?
配信日: 2025.03.22

なかでも「敷金」や「礼金」といった名目で家賃とは別にまとまったお金を支払う必要があり、驚く方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「敷金・礼金は交渉できるのか」「交渉する際のポイントや注意点」について詳しく解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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敷金・礼金は本当に交渉できるのか?
まず知っておきたいのは、「敷金」と「礼金」はそもそも性質が異なる費用であるということです。敷金は、家賃滞納や退去時の原状回復に備えて大家さんに預けるお金で、条件を満たせば退去時に返ってくることがあります。
一方、礼金は大家さんに支払うお礼であり、原則として返金されません。このうち、交渉の余地があるのは主に「礼金」です。特に最近では、礼金ゼロの物件も増えており、交渉によって礼金が免除されたり、減額されたりすることもあります。
一方で、敷金は大家さんにとってリスク管理の意味合いがあるため、従来は交渉で下げるのが難しいとされてきました。しかし、最近では賃貸市場の動向により、敷金を要求しない物件も増加しています。契約内容や入居条件によっては、敷金の減額や免除に応じてもらえる可能性もゼロではありません。
交渉がうまくいくケースとうまくいかないケース
礼金や敷金の交渉が成功するかどうかは、物件の条件や大家さん・不動産会社の方針によって異なります。例えば、以下のようなケースでは交渉がうまくいく可能性があります。
●空室期間が2ヶ月以上の物件
●入居希望時期が早く、すぐに入居できる
●複数の物件を比較しており、相手にそのことを伝えている
●家賃などの他の条件で妥協できる
●1階や和室、北向きの物件
●築年数が古い(30年以上が目安)物件
●駅から15分以上離れている物件
反対に、以下のような場合は交渉が通りにくいと考えられます。
●人気エリアや駅近物件など需要が高い物件
●新築・築浅などで希少性が高い物件
●すでに他に入居希望者がいる場合
物件の市場価値や競争状況によって交渉の成功率は変わってきますので、交渉する前に相場を調べておくとよいでしょう。
値下げ交渉をするときのポイントと注意点
交渉を成功させるには、言い方やタイミングも重要です。まず、内見時や申し込みをする前に「もし礼金を下げてもらえたら前向きに検討したい」などと、やんわりと伝えてみるのが効果的です。
また、不動産会社を通して交渉するのが基本ですが、「担当者によって対応が変わる」こともあります。営業担当に希望を伝える際は、強引な言い方ではなく「相談ベース」で持ちかけると、相手も動きやすくなります。
さらに、「家賃を1000円上げる代わりに礼金ゼロにする」といった条件交渉もあるため、自分が何を優先したいかを明確にしておくとよいでしょう。
注意点としては、あまりにしつこく交渉を重ねると「この人とは契約したくない」と思われてしまう可能性があることです。無理に交渉せず、あくまで「可能であればお願いします」というスタンスが望ましいです。
また、申し込み後の交渉は難しくなるため、交渉をする場合は申し込み前に交渉を行うようにしましょう。
まとめ
「敷金」や「礼金」は、一見すると交渉できなさそうに思えますが、実は礼金については交渉が通るケースも珍しくありません。特に物件の条件やタイミングによっては、初期費用を大きく抑えることができるかもしれません。
とはいえ、すべての物件で必ずしも交渉が成功するわけではありませんし、敷金は返金の可能性もあるため、無理に下げようとする必要はないでしょう。まずは自分たちの予算と優先事項を整理し、不動産会社と相談しながら、納得のいく契約を目指すことが大切です。
初めての一人暮らしのスタートを気持ちよく切るためにも、丁寧で前向きな交渉を心がけましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー