残っている処方薬の対策に!「節薬バッグ」とは一体何?
配信日: 2025.03.24

残薬はさまざまな問題を引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。残薬を適切に管理するために、一部の地域で「節薬(せつやく)バッグ」という制度が開始されました。
この記事では節薬バッグとは何か、また活用方法についても詳しく解説します。飲み忘れを防ぎ、薬を無駄にしないための方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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残薬に対する「節薬バッグ」運動とは
「残薬」は薬を飲み忘れたり、途中で服用をやめたり、複数の医療機関で同じ処方箋をもらい飲み残したりすることで薬が余ってしまう状態を指します。
日本での残薬の発生は年間数百億円分に相当するといわれており、医療費が無駄に使用されていることで社会問題となっています。このような無駄な医療費の発生を防ぐために、地域の薬剤師会によって節薬バッグ運動が開始されました。
この運動は無料で配布された節薬バッグに処方箋と薬をまとめて入れておき、薬局に持参することで薬を調整してもらう制度です。節薬バッグを活用することで、どの薬を飲めばよいか分からなくなったり、飲み忘れたりする悩みを解決するためのサポートをしてもらえます。
地域によっては「お薬バッグ」と呼んでいるケースもあるようです。なお節薬バッグの配布は全国的に行われているわけではありません。
地域によっては制度が取り入れられていなかったり、期間限定で実施していたりする場合もあるため、詳しくは各自治体に問い合わせてみてください。
「節薬バッグ」の活用が適している人
節薬バッグは、以下のような人に適している制度です。
●薬の飲み合わせが心配
●家に薬が余っている
●薬の量が多くてどれを飲めばよいか分からない
●何のための薬か分からなくなった
●手元にある薬の期限が心配
薬についてこのような悩みがある場合は、節薬バッグを持参して薬局へ行きましょう。安心して服用できるように薬剤師がサポートしてくれます。
「節薬バッグ」を活用して薬を見直してもらうメリット
手元にある薬を見直してもらうと、以下のようなメリットがあります。
●薬やサプリメントの飲み合わせが確認できる
●残薬の整理ができる
●飲み忘れを防ぐためのサポートをしてもらえる
●自己負担が減る
薬の見直しによりサプリメントとの併用や、自己管理できなかった残薬、飲み忘れなどを解決するきっかけとなるでしょう。同じ薬を繰り返し処方されることもなくなるため、医療費の自己負担も減らせそうです。
残薬が引き起こすリスク
残薬の使用によって発生する可能性があるリスクは、以下の通りです。
●病状が改善しない
●古い薬の服用による健康被害
●薬のまとめ飲みによる副作用
●繰り返しの処方による出費
残薬があるということは薬をきちんと服用していないことを示し、病状が改善されない可能性があります。さらに、自己判断による服用で健康被害が出るおそれもあるでしょう。無駄な医療費の出費を防ぐためにも、適切な薬の管理が必要です。
「節薬バッグ」を活用するにあたっての注意点
節薬バッグが配布される対象者は、65歳以上の国民健康保険か後期高齢者医療制度に加入していて、残薬の整理を希望する人に限られている地域もあるようです。また、節薬バッグを活用する際は処方箋とおくすり手帳が必要なため、忘れないようにしましょう。
全ての薬局でサポートを実施しているわけではないため、対象となる薬局を確認しておく必要があります。問合せ先は地域によって異なるため、詳しくは各自治体の窓口に尋ねてください。
飲み忘れの薬には「節薬バッグ」の活用が有効
飲み忘れにより残ってしまった薬には、無料で配布される節薬バッグの活用が効果的です。節薬バッグに薬と処方箋を入れて薬局に持参すると、飲み忘れを防ぐためのサポートや飲み合わせのアドバイスなどがもらえます。
ただし節薬バッグの配布は全国で実施されているわけではないため、注意が必要です。また節薬バッグによるサポートを行っている薬局も限られているため、事前に確認しておきましょう。
利用する際のルールも地域によって異なるため、詳しくは各自治体の窓口に問い合わせることをおすすめします。
出典
ひたちなか市 「節薬(せつやく)バッグ」を配布します
宮崎県 医薬品適正使用促進事業について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー