将来は“医者になりたい”息子。応援したい気持ちはあるのですが、「世帯年収480万円」で医学部の学費を払うのは難しいでしょうか?
配信日: 2025.03.25

今回は、医学部へ進学するために必要な費用や、教育資金を貯金するコツ、学費が不足しそうなときはどうすればよいのかなどについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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医学部へ進学するために必要な費用とは?
子どもが医学部に進学する場合、学費は6年分必要になります。ほかの学部よりも高額な場合が多いので、費用はよく確認しておきましょう。
文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、医学系の私立大学に進学した場合の初年度平均費用は以下の通りです。
●入学料:136万98円
●授業料:265万6053円
●施設設備費:106万3284円
●実験実習料:29万323円
●その他:146万1294円
●合計:683万1051円
もし必要な金額が平均と同じだとすると、世帯年収が480万円の場合、年収よりも約1.4倍多い金額を初年度に用意しなければなりません。また、授業料が初年度と同額程度で6年分必要とすると、授業料だけで合計1593万6318円がかかります。
ほかの諸費用も6年間必要だと考えると、3000万円程度の教育資金は準備しておいた方がよいでしょう。すぐに用意できる金額ではないので、早いうちから計画的な教育資金作りが大切です。
子どもの進学に向けて貯金をするコツ
高額になりやすい医学部の費用をねん出するためには、早いうちからコツコツと教育資金を貯金し始めることが大切です。必要な金額より少し多い額を目標金額として、貯金計画を立てましょう。長期の積立預金を活用すると、生活費と混同せずに貯金できます。
また、生活費の見直しも行いましょう。不要な出費がある場合は少しでも削ることで、教育資金に回せます。さらに、子どもが18歳になるまでにかかるであろう費用をリストアップすると、毎月いくらを教育資金に回せるか分かりやすくなるのでおすすめです。
費用が足りないときはどうすればよい?
子どもから医学部に進学したいと告げられたときは、まず希望する大学を確認しましょう。私立大学で必要な費用を解説しましたが、国公立大学ならかかる学費をかなり安くできます。
例えば、国立大学の学費は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」により決められており、2025年3月時点では、入学料が28万2000円、授業料は53万5800円です。
授業料を6年間支払ったとしても321万4800円になるため、私立大学の医学部平均と比較して1272万1518円安くなります。公立大学は大学により多少の差はありますが、私立と比較すると学費は安いでしょう。
さらに、難易度が高いところを目指すのであれば、防衛医科大学校や自治医科大学などのように、授業料がなかったり一時的に貸与してもらえたりする大学も選択肢のひとつです。
しかし、子どもによっては私立大学を第一志望とする場合もあるでしょう。その場合は、特待生制度や奨学金制度の検討が必要です。子どもの成績から考えて問題がなければ、制度の利用により家計への影響をできるだけおさえつつ、子どもも大学に通えます。
どの方法を選ぶ場合でも、子どもとよく話し合って決めましょう。
制度を活用したり早くから貯金を始めたりしていれば学費を工面できる可能性がある
医学部への進学はほかの学部よりも費用がかかるでしょう。文部科学省の資料によると、私立大学の場合、初年度だけで医学部は平均で683万1051円がかかる計算です。
年収480万円だと、年収よりも多くの学費が必要なため、早いうちから貯金をしておきましょう。
それでも費用が足りないときは、特待生制度や奨学金制度などの利用も検討が必要です。いずれの場合も子どもの進路にかかわることなので、子ども本人とも話し合いながらどうするのかを決めましょう。
出典
文部科学省 令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について 令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)(昼間部)(2ページ)
e-Govポータル法令検索 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号) 第二条(授業料、入学料及び検定料の標準額等)
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