23区内で「家賃5万円」で探すのは無謀ですか? 引っ越し難民も増えているそうですが、家賃相場が高くなっているのは何が原因なんでしょうか?
では、今の東京において、5万円以内で住めるエリアはあるのでしょうか。この記事で解説していきます。
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東京23区の家賃相場の現状
東京23区内の家賃相場は、エリアや物件の条件によって大きく異なります。新宿区や渋谷区など、都心部の主要エリアでは家賃相場が高い傾向があり、交通の便が良いことや生活利便性の高さから家賃は高めに設定されています。
一方、足立区や江戸川区、練馬区などのエリアでは、比較的家賃相場が抑えられています。これらの地域は都心からやや離れているものの、生活環境が整っており、コストパフォーマンスの高いエリアとして注目されています。
東京23区の中でも家賃相場が比較的安いエリアにおける1R~1DKの平均家賃の目安は、表1の通りです。
表1
| 区名 | 1R~1DKの家賃相場 |
|---|---|
| 足立区 | 6万900円 |
| 中野区 | 6万4600円 |
| 杉並区 | 6万4700円 |
| 葛飾区 | 6万4800円 |
| 江戸川区 | 6万6600円 |
| 練馬区 | 6万8300円 |
※筆者作成(2025年4月現在)
都心を外れたとしても、家賃相場は5万円を大きく上回ります。ただし、部屋の広さや築年数など、条件を妥協すれば家賃5万円以内の物件も見つかることがあります。
東京23区内で家賃5万円以下の物件は存在するのか?
東京23区内で家賃5万円以下の物件を探すことは、条件次第で可能でしょう。表2~表4に、具体的な事例とその特徴を紹介します。なお、家賃など物件の詳細は2025年4月4日現在のものになります。
表2
| 物件の詳細 | |
|---|---|
| 住所 | 東京都世田谷区 |
| 家賃 | 4万3000円 |
| 築年数 | 築50年 |
| 間取り(専有面積) | 1R(16平方メートル) |
| 最寄駅までの時間 | 徒歩17分 |
※筆者作成
表3
| 物件の詳細 | |
|---|---|
| 住所 | 東京都新宿区 |
| 家賃 | 5万円 |
| 築年数 | 築36年 |
| 間取り(専有面積) | 1K(13平方メートル) |
| 最寄駅までの時間 | 徒歩9分 |
※筆者作成
表4
| 物件の詳細 | |
|---|---|
| 住所 | 東京都渋谷区 |
| 家賃 | 4万5000円 |
| 築年数 | 築62年 |
| 間取り(専有面積) | 1K(10平方メートル) |
| 最寄駅までの時間 | 徒歩5分 |
※筆者作成
家賃5万円以下の物件は、築年数が古い、駅から遠い、間取りが狭いなど、何らかの条件がある場合に見つかることがあります。ただし、これらの物件は数が限られており、トイレやお風呂がない場合もあるようです。
家賃上昇の背景と引っ越し難民の増加
近年、東京23区内の家賃は上昇傾向にあります。その要因のひとつとして、不動産価格の高騰が挙げられます。国土交通省の不動産価格指数によれば、特にマンション価格は2024年時点で2010年と比べて2倍以上に達しており、それに伴い賃貸物件の家賃も上昇傾向です。
さらに、物価高の影響で建物の維持管理費や修繕費も増加しています。その結果、オーナーはコスト増を家賃に反映せざるを得ない状況です。
こうした家賃の上昇に加え、引っ越し業者の人手不足や運送業界の労働時間規制の影響で、引っ越ししたくてもできない「引っ越し難民」も増えているといわれています。
まとめ
東京23区内で家賃5万円以下の物件はあるものの、築年数が古い、間取りが狭い、駅から遠いなどの条件が付くことが多く、選択肢は限られるようです。近年の不動産価格や物価の上昇に伴い、家賃相場はさらに高騰しており、今後もこの傾向が続く可能性があります。
低予算で住むには、エリアを広げる、シェアハウスを検討するなど、柔軟な対応が必要です。「引っ越し難民」にならないよう、物件や引っ越し業者の選定は早めに進めましょう。
出典
国土交通省 不動産価格指数(令和6年12月・令和6年第4四半期分)を公表~不動産価格指数、住宅は前月比 0.6%上昇、商業用は前期比 0.0%~(2ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
