先日都内で「センチュリー」から有名な国会議員が降りてくるのを見かけました。一般人は高すぎて乗れないイメージですが、なぜ要人はトヨタの「センチュリー」を選ぶのでしょうか?
では、なぜこのセンチュリーという車が公用車や御料車に採用されているのでしょうか。また、一般人には縁がないように思える車ですが、購入しようとすると断られてしまうといったうわさもあるようです。
当記事ではこのようなセンチュリーの気になる疑問について調べてみました。
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要人はなぜトヨタ「センチュリー」を選ぶのか?
長年、内閣総理大臣専用車として採用され続けているトヨタ「センチュリー」は、1960年代にはすでにその役目を担っていました。
トヨタグループ創始者の生誕100周年を記念し「センチュリー」と名づけられたこの車は、世界の名だたる高級車たちに追いつくためにすべての仕様を新規開発して完成した、当時の日本車としては非常に意欲的な製品だったようです。
1963年のアメリカのケネディ大統領暗殺事件などをきっかけに、要人警護の重要性が日本国内でも問われるようになっていきました。そこで、公用車として特殊なボディーや防弾ガラスをはじめとした特別な仕様に改良したモデルの開発をセンチュリーが引き受ける運びとなり、以後現在に至るまで公用車や内閣総理大臣専用車として採用されています。
センチュリーの価格は「2000万円以上」!
そんな「国産高級車の代表格」ともいえるセンチュリーですが、公用車仕様ではない一般流通モデルの小売価格が気になるかもしれません。
販売元のトヨタ自動車株式会社のWebサイトを参考にしたところ、センチュリー(セダン)の新車価格は2025年4月現在、2008万円となっていました。これに加え、「プラグインハイブリッド車」モデルも販売されており、こちらは2025年4月現在2500万円となっています。
一般社団法人日本自動車工業会が発表している「2023年度乗用車市場動向調査」のデータによると、乗用車における車両の平均購入価格が264万円であることから、センチュリーは国産車のなかでも飛びぬけて高価格帯であることが分かるでしょう。
「一般人は購入できない」といううわさは本当?
公用車や要人警護の車としてのイメージが強く、さらに高級な国産車を目指して開発され、実際に高価格帯であるセンチュリー。いつしか「一般人には購入することができない」といううわさまで生まれてしまったようなのですが、それは事実なのでしょうか。
実際のところ、「一般人は購入できない、店舗から断られる」というのは都市伝説のひとつであり、誰でも購入すること自体は可能です。ただし、トヨタの車を扱う店舗ならどこでも購入できるわけではなく、センチュリーを熟知した「センチュリーマイスター」が在籍している店舗でのみ案内や申し込みが可能とされています。
センチュリーは初代のモデルから現在に至るまで、独自の生産体制を敷き、1台ずつ手作業で生産されているそうです。月の販売台数は数十台と、量産を目的とした車種ではないことも、都市伝説が広がった要因のひとつといえるでしょう。
また、前述の通り価格が高いことから、新規顧客に対しては販売価格の数パーセント分を手付金として納車前に収めてもらう、といった対応がとられるケースがあるとのことです。
まとめ
トヨタ「センチュリー」は最高級車としての質の高さから、要人を守るためのセキュリティー対策として公用車に採用されたのが始まりとされています。
一般の人でも購入は可能とのことですが、生産から販売までの体制はほかの量産車とは異なるため、どうしても販売数や店舗が限られてしまう側面はあるようです。
出典
トヨタ自動車株式会社
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査 III 購入状況 3.購入時状況と購入者意識 新車購入価格(34ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
