実家の押し入れには父が昔撮った「ホームビデオ」がたくさん眠っています。ビデオテープに「2025年問題」が迫っているという話を聞いたのですが、ホームビデオも見れなくなってしまいますか?「デジタル化」の方法や費用も知りたいです。
現代ではビデオテープを見かけることはほぼなく、再生用のビデオデッキも生産が終了しています。このままでは、近い将来ビデオテープを再生することは永久にできなくなるといわれており、これがメディアなどでは「2025年問題」と言われています。
本記事ではビデオテープの「2025年問題」や、デジタル化のために必要な対応について解説します。
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ビデオテープの「2025年問題」とは?
ビデオテープの「2025年問題」とは、ビデオテープの劣化や再生機器の生産終了により、ビデオテープに記録された映像が2025年を目安に観られなくなる可能性があることを指す現象のことです。これを初めて提唱したのは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)でした。
かつてビデオテープの標準だった磁気テープが最も使われていたのは1980〜1990年代で、ビデオテープの耐用年数はおよそ20年程度といわれていました。しかし保存状態が悪い場合、早いものでは2000〜2010年頃にはすでに再生できなくなっているケースが出てくるようになりました。
さらに、メーカーはビデオデッキの生産をすでに終了しており、交換部品の不足などにより、修理も困難な状況です。このような状況下で、ビデオテープを再生できるうちにデジタル化しないと、永遠に見られなくなる期限の目安としてユネスコが警告を呼びかけたのが2025年だったのです。
「2025年問題」への対応は「デジタル化(ダビング)」が確実
ビデオテープの「2025年問題」に対応するためには、アナログ映像をDVDなどのデジタル媒体にデジタル化(ダビング)するのが最も確実です。ビデオテープをデジタル化するにはいくつかの方法があり、1つは「ビデオキャプチャー」という専用の機器を使う方法です。
この方法ではビデオ再生デッキとパソコンをビデオキャプチャーでつなぎ、映像をパソコンに取り込んだ後、DVDに焼くというものです。
もう1つは、「VHS・DVD一体型レコーダー」を使う方法です。この方法ではビデオテープとDVDをレコーダーにセットしてダビングします。
しかし、どちらの方法においても専用の機器やダビング用の一体型レコーダーなどを使用しなければならないため、自分でダビングを行うのが手間だったり不安だったりする場合は業者に依頼するのが一般的です。
ビデオテープの「デジタル化(ダビング)」に必要な費用は?
ビデオテープをデジタル化(ダビング)するのに必要な費用は、先述のビデオキャプチャーを使う方法の場合、安いものでは5000円前後でUSB接続ビデオキャプチャーを購入できるようです。ただし、別途ビデオテープを再生できるビデオデッキとパソコンが必要です。
もしもビデオデッキを持っていない場合は、中古品として出回っているものを購入するか、レンタルをする費用がかかります。
また、VHS・DVD一体型レコーダーを使う場合もやはり生産が終了しているため、中古品の購入かレンタルが必要です。ビデオデッキや一体型レコーダーの価格相場は安いものでは2万円ほど、高いものでは10万円以上するものもあるようです。
ビデオデッキを所有していない場合は業者に依頼するのがもっとも手軽かつコストを抑えられる方法で、ビデオテープ1本あたり3000円ほどが目安となっているようです。
まとめ
ホームビデオには大切な家族の歴史が記録されています。結婚式、子どもの誕生と成長、旅行、学校の行事など、どれも家族のかけがえのない想い出でしょう。
デジタル化は劣化を防げるだけでなく、DVDプレーヤーやパソコンはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットなどに取り込むことで、気軽に持ち運べてどこでもいつでも見られるようになります。
また、簡単に複製でき、保管場所の節約になることもメリットとなるため、大切な思い出を残しておきたい方は早めにデジタル化を済ませておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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