「月給30万円」の会社員。友人に「月末に育休を取得するとお得になる」と言われたけど、取得が“1日だけ”でもお得になる? 違法にならないのかも解説
今後ますます利用が増えそうな育休ですが、月末に取得するとお得になると言われています。本記事ではその理由と、どれくらいお得になるのかを解説します。
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月末に育休を取るとお得と言われる理由
月末に育休を取るとお得になると言われている理由は、月末に育休を取得していると当月の社会保険料が全額免除になるからです。給与から引かれてしまうはずの社会保険料が免除になることで、手取りが増えるということですね。育休は1日から取得可能ですので、月末に1日だけ育休を取得することは違法とはなりません。
しかし、この制度では月末に育休を取れた人だけが優遇され、月初や月の途中(例えば、2日から15日までなど)に育休を取った人は社会保険料が免除にならないため、不公平が生じてしまうという問題点がありました。
そこで、令和4年10月から、育児休業期間中における社会保険料の免除要件が改正されました。同月の末日が育児休業等期間中である場合に加え、同月中に14日以上育児休業等を取得した場合にも育休中の社会保険料の免除が適用されることになったのです。
なお、月末以外の日に1日だけ育休を取得した場合は、社会保険料免除の対象外ですので注意しましょう。
月末の育休取得で実際どれくらいお得になるの?
社会保険料が免除になると、どれくらいお得になるのでしょうか? 月給30万円の人が月末に育休を取得した場合と、有給を取得したり、休みを取得しなかったりした場合で比較してみましょう。
月給30万円、健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料を約4万3000円として考えます。
育休ではなく有給休暇(有休)を取得したり、休みを取得しなかったりした場合の手取りは、額面の30万円から4万3000円を引いた25万7000円です。住民税が1万5000円だったとして、24万2000円が手元に残る計算ですね。月末に1日だけ育休を取得した場合、4万3000円の社会保険料が免除されます。
たった1日の育休取得で手取りに4万円以上の差があると考えると、驚きですね。
賞与保険料の免除は1ヶ月以上の育休取得が必要
賞与がある月の月末に1日育休を取った場合、賞与保険料は免除されないので注意が必要です。賞与保険料は、賞与を支払った月の末日を含んだ連続した1ヶ月を超える育児休業等を取得した場合に免徐されるようになっており、1日の育休取得では免除されません。
令和4年10月の制度改正前は、月末に1日でも育休を取っていれば賞与保険料も免除となったので、混乱してしまいますが、月末の1日で免除となるのは給与の社会保険料のみです。
また、育休を分割できる回数は2回です。毎月のように月末の1日だけ育休を取得することはできません。
育休は子育てのために取得するもの
月末に1日、または月末でなくても月に14日以上育休を取得した場合、その月の給与の社会保険料が免除となりお得になります。そのため、育休を取得するなら月末、または14日以上の取得がおすすめです。
ただし、育休は保険料をお得にするために取得するのではなく、あくまで子育てのために取得するものです。お得にするために日付を調整することは違法ではありませんが、子どもを一番に考えて、取得する日数や日付を設定すると良いですね。
出典
厚生労働省 2025年4月から、男性労働者の育児休業取得率等の公表が従業員が300人超1,000人以下の企業にも義務化されます
日本年金機構 令和4年10月から育児休業期間中における社会保険料の免除要件が改正されます
日本年金機構 令和4年10月から育児休業等期間中の社会保険料免除要件が見直されます
厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 令和4年4月1日から3段階で施行
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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