4月に引っ越した「町田市」は「ごみ袋が有料」です。「世田谷区は無料」だったのですが、年間ではいくらくらいの「負担増」になりそうですか?
本記事では、ごみ収集を有料化している自治体の割合やごみ袋の有料化が進む背景、年間でかかるごみ袋の費用目安を解説します。
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ごみ収集を「有料化」している自治体が増えている
環境省の2022年度の調査によると、生活系ごみ(粗大ごみを除く)の収集を有料化している市区町村は1162市区町村で66.7%でした。環境省の2018年度の同調査では、1134市区町村で65.1%であったことを考えると、ごみ収集を有料化している自治体が徐々に増加しているといえます。
廃棄物削減のためごみ袋の有料化が進んでいる
多くの自治体では、有料の指定ごみ袋を使用することが求められ、ごみの排出量に応じて処理費用を一部負担する仕組みが導入されています。ごみ袋の有料化が進んでいる背景は、廃棄物削減にあります。
地球温暖化への対策や自然共生社会の実現を目指すため、国は自治体に対してごみの量の把握や廃棄物削減の取り組みを行うように求めるようになりました。自治体はその一環として、ごみ袋の有料化を展開しているのです。
住民が指定ごみ袋を使用することで、ごみの量を把握しやすくなるだけでなく、住民の分別の促進や環境への意識向上につながる点もメリットです。また、再生利用しやすい指定ごみ袋を設計し、リサイクルにつなげているケースもあります。
さらに、廃棄物削減は焼却場や最終処分場の負担軽減につながる点もポイントです。補修や再建にかかる費用が抑えられれば、自治体の財政負担も軽くなるため、住民サービスの向上や地域経済の活性化につなげられる可能性もあります。
有料ごみ袋の価格は自治体によって異なる
有料ごみ袋の価格は自治体によって異なります。西東京市の2022年10月1日時点の資料を基に、東京都26市における有料ごみ袋の価格相場を表1にまとめました。
表1
| ごみ袋(可燃・不燃ごみ) | 価格相場 |
|---|---|
| 5リットル袋 | 7~10円 |
| 10リットル袋 | 15~20円 |
| 20リットル袋 | 30~40円 |
| 40リットル袋 | 60~80円 |
出典:西東京市「東京都26市 一般廃棄物処理手数料(家庭ごみ)の状況」を基に筆者作成
町田市によると、燃やせるごみ専用袋および燃やせないごみ専用袋はそれぞれ40リットル相当(大袋)で1枚あたり64円です。前述の環境省による2022年度の調査によると、1人1日あたりの家庭系ごみ排出量は496グラムであるため、年間では単純計算で181.04キログラムとなります。
40リットルのごみ袋に入る重さを約4キログラムとして計算した場合、年間の必要枚数は1人あたり約45.26枚です。ごみ袋が有料になったことで増える負担は年間で約2896.64円、1ヶ月あたり約241.4円となります。なお、ごみ袋の容量に余裕を持たせた場合は必要枚数が多くなるため、費用もさらにかかるでしょう。
まとめ
ごみの量の把握や廃棄物削減のために、一部の自治体ではごみ袋の有料化が進められています。環境省の2022年度の調査によると、生活系ごみ(粗大ごみを除く)の収集を有料化している市区町村は1162市区町村で66.7%でした。
有料ごみ袋の価格は自治体によって異なりますが、一例として西東京市の資料によると、東京都26市における40リットルのごみ袋はおよそ60~80円です。
一般的に1人あたり40リットルのごみ袋は年間で約45枚必要になる可能性があるため、年間で約2900円の費用がかかる計算です。経済的な負担は世帯によって異なりますが、無視できない出費となるでしょう。
出典
環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和4年度)について(1ページ、17ページ)
環境省 一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度)について(17ページ)
西東京市 東京都26市 一般廃棄物処理手数料(家庭ごみ)の状況
町田市 家庭ごみは市の指定収集袋で出してください
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
