親から1万円の残高が入った「Suica定期券」を「借りる」予定です。定期券ではなく残高を使うだけなら「問題」はないですよね?

配信日: 2025.04.27 更新日: 2025.09.26
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親から1万円の残高が入った「Suica定期券」を「借りる」予定です。定期券ではなく残高を使うだけなら「問題」はないですよね?
交通系ICカードのSuica(スイカ)は、日々の通勤や通学以外に、チャージして電子マネーとして買い物などの際に利用している人もいるでしょう。利便性の高さを感じる場面がある中、利用ルールを正しく理解していない方もいるかもしれません。
 
そこでこの記事では、Suica定期券の正しい利用ルールを紹介するとともに、もし規約に違反した場合にどのようなリスクが考えられるのか、具体的な事例を交えながら解説します。
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Suica定期券は記名された本人のみ利用できる

Suicaの種類は、大きく分けて以下の3つです。
 

・「Suicaカード」(無記名Suica)
・「My Suica」(記名式Suica)
・「Suica定期券」

 
このうち、Suicaカードは誰でも利用することができますが、Suica定期券は、記名された本人しか利用できないルールがあるようです。他人に貸与したり譲渡したりすることはできません。
 

他人のSuica定期券を利用すると不正乗車にあたる可能性がある

Suica定期券を本人以外が使用すると、鉄道会社の規則に違反し「不正乗車」とみなされる可能性があります。また、Suica定期券のICカード自体が本人専用であるため、チャージ残高部分だけの利用であっても他人が使用することは基本的に禁止だと考えられます。
 
また定期券の不正利用に関しては、JR東日本の旅客営業規則第168条に、定期券に記名されている人以外の使用が発覚した場合は、無効として回収する旨が記されています。
 
これは、定期券があらかじめ決められた期間に何度でも乗車できる割引乗車券であることが関係しているようです。そのため、例え本人以外が「残高だけ使ったつもり」でも、Suica定期券を他人が使用すること自体がルール違反となるため、鉄道会社の判断によっては厳しい対応を受ける可能性があるかもしれません。
 

不正利用が発覚した際の罰則

旅客営業規則第265条には、その定期券の効力が発生した日から無効の事実を発見した当日まで、券面に表示された区間を「毎日1往復ずつ乗車したものとして計算した普通旅客運賃とその2倍に相当する額の増運賃をあわせて収受する」と定められています。
 
例えば、父親が川口駅から東京駅に通勤しており、半年間の通勤定期を購入しているとします。京浜東北線で半年間の定期は4万6290円かかるようです。この定期を使い始めてから120日目に子どもがSuica定期券を使ったことで不正利用とされてしまった場合、120日分の料金を基に運賃が請求される可能性があります。
 
川口駅から東京駅の片道運賃は320円なので、往復運賃は640円です。第265条の規定を基に計算すると、「120日×往復運賃640円×2倍」の計算式となり、15万3600円の支払いを請求される可能性があります。
 
定期代の何倍もの追加支払いを請求されるうえに、定期の期限の残り約2ヶ月分が無効になるといった罰則が適用されるようです。
 

親のSuica定期券は残高を使うだけでも規約違反! 正しいSuicaの利用方法を理解してトラブルを避けよう

Suica定期券は、記名された本人のみが使用できるため、親子であっても貸し借りは規約違反となる可能性があります。例え定期券の区間外で残高を使う場合でも、記名された人以外が利用することは禁止されています。
 
不正乗車とみなされれば、JR東日本の規則により、正規運賃とその2倍額を合わせた3倍運賃の支払いを求められる可能性があり、高額の運賃支払いが必要になるかもしれません。
 
Suica定期券に残高があるからといって、安易に他人が利用することは思わぬリスクを伴う可能性があります。ルールを守って正しくSuicaを利用し、トラブルを避けましょう。
 

出典

東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第168条
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則 第265条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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