通常よりも安く新幹線を利用できる「おトクなきっぷ」とは? 誰でも購入できるの?
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「おトクなきっぷ」とは?
「おトクなきっぷ」とはJR東日本で販売されている切符で、各鉄道会社が販売している「特別企画乗車券」の1つです。利用できる電車や設定区間、発売される期間、利用できる期間、発売場所などに条件があるものの、通常よりもお得に乗車できる切符です。
また、JR東海は「お得なきっぷ」、JR西日本は「トクトクきっぷ」という名前で同じようなサービスが展開されています。これらは新幹線や在来線などで利用が可能です。
以上のお買い得切符は、大きく4つの種類に分かれています。実際にどれほどお得なのか、タイプ別の代表的なお得サービスを例に挙げて比較検証します。
回数券タイプ
回数券タイプとは、指定された乗車区間の切符が複数枚セットになったものです。まとめて購入することで、お得に乗車できるようになります。
乗車区間と利用期間が決められているため、複数人で旅行するケースや同じ区間を何回も利用するケースなどに活用できます。
ここでは、JR東日本が販売する「フレックス・グリーン料金回数券(4枚つづり)」を例に、通常料金と比較します。
今回は新幹線の「高崎~東京」間を例に挙げ、通常切符との料金を比較しました。
図表1
| 区間例(高崎~東京) | フレックス・グリーン料金回数券(4枚つづり) | 通常切符 |
|---|---|---|
| 4枚つづりの料金 | 6280円 | – |
| 1枚分の料金 | 1570円 | 5510円 (グリーン車の特急料金) |
※筆者作成
JR東日本の「フレックス・グリーン料金回数券(4枚つづり)」とは、新幹線定期券「FREX」や在来線定期券+新幹線自由席特急券などと併用することでグリーン車を利用できる回数券です。
図表1の通り「高崎〜東京」間のグリーン車特急券を1回1570円で利用できます。通常、同区間のグリーン車特急券は5510円が必要となるため、3940円お得です。
また「高崎~東京」「熊谷~上野」「宇都宮~大宮」など、上越・北陸・東海道新幹線などで利用できますが、はやぶさ・こまち・のぞみ・みずほは利用できません。
往復タイプ
往復タイプとは、同区間の「行き」と「帰り」がセットになった切符です。企画によっては、乗り放題ゾーンの設定があるものや、観光地の入場券がセットになっているものもあります。
ここではJR東日本の「東京フリー乗車券」を例に挙げます。通常料金との比較は図表2の通りです。
図表2
| 区間例(あつみ温泉~東京駅) | 東京フリー乗車券 | 通常料金(自由席) |
|---|---|---|
| 往復料金(平日・大人) | 1万1420円+特急料金 | – |
| 片道換算 | 5710円+特急料金 | 1万3350円 |
※筆者作成
「東京フリー乗車券」は、遊佐・酒田・あつみ温泉から東京フリーエリアまでの普通列車を往復で乗車できる券です。あつみ温泉から東京に向かう場合、おもなルートは普通列車であつみ温泉から新潟まで移動し、新潟から東京まで新幹線で移動することとなるでしょう。
新潟から東京までの新幹線自由席料金は4510円、往復で東京フリー乗車券のほかに9020円が必要となります。この場合、東京フリー乗車券との合計金額は2万440円で、片道に換算すると1万220円です。
通常料金で購入する場合は1万3350円の乗車料金が必要になるため、片道で3130円を節約できるでしょう。
乗り放題タイプ
乗り放題タイプとは、設定区間内であれば何回でも乗り降りできる切符です。
ここでは、JR東日本が販売する「大人の休日倶楽部パス」(普通車用/指定席券売機・窓口販売)を例に挙げます。50歳以上の会員を対象としたきっぷとなり概要は、図表3の通りです。
図表3
| 料金 | 1万9800円 |
| 利用できるおもな鉄道 | 東北新幹線 山形新幹線 秋田新幹線 上越新幹線 北陸新幹線 JR東日本在来線 青い森鉄道線 いわて銀河鉄道線 三陸鉄道線 |
| 利用期間 | 指定された期間のうち5日間 |
| 利用できる列車・席タイプ | 基本的に普通車・自由席 (指定席は6回まで可能) |
東日本旅客鉄道株式会社 おトクなきっぷ「大人の休日倶楽部パス【東日本】(普通車用)」を基に筆者作成
「大人の休日倶楽部パス」(普通車用)は、発売期間や利用期間が限定されているものの、該当エリアであれば5日間乗り放題の切符です。例えば、以下のように新幹線を利用しても合計で1万9800円となります。
●1日目:東京~福島(通常8580円)
●2日目:福島~仙台(通常3210円)
●3日目:仙台~盛岡(通常6590円)※指定席
●4日目:盛岡~新青森(通常6050円)※指定席
●5日目:新青森~東京(通常1万7670円)※指定席
以上の行程を通常の自由席・指定席を利用した場合は4万2100円が必要となり、大人の休日倶楽部パスを利用すると2万2300円お得です。
ただし、大人の休日倶楽部パスは利用開始日ごとに3万枚限定の販売となります。
「おトクなきっぷ」などの特別企画乗車券は条件を満たす場合に限り利用できる
「おトクなきっぷ」は、JR東日本が提供する特別企画乗車券です。利用できる電車や区間、発売期間、利用期間などの条件が設けられており、条件が合えば通常の切符よりもお得に乗車できます。
回数券タイプ、往復タイプ、乗り放題タイプなど、さまざまな種類の切符がお得に販売されています。JR線を利用する際は、自分の利用区間に該当するものがないか、確認するとよいでしょう。
出典
東日本旅客鉄道株式会社
東海旅客鉄道株式会社
株式会社駅探 「乗換案内」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
