2歳の子どもと新幹線に乗るのですが、荷物がかなりの量です。子ども用の指定席を取ると「家族の交通費」はいくら増えますか?
6歳未満の子どもは基本的に運賃無料のため、指定席を取らずに保護者の膝の上に乗せて移動するという人もいるでしょう。しかし、大量の荷物を抱えながら子どもを長時間抱っこするのは、かなり負担が大きいでしょう。
本記事では、新幹線における子どもの運賃ルールを基に、幼児連れでの乗車時に指定席を予約してよいのか、また、空いている隣の席に荷物を置いてもよいのかといった疑問について、詳しく解説します。
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目次
幼児に指定席は取れるのか? JRの運賃ルールから確認
新幹線の規則上、運賃無料の乳児・幼児でも「こども」料金で指定席を予約できます。「おとな」または「こども」1人につき、乳幼児2人までが運賃・料金なしで同伴可能です。ただし、これらの乳幼児のために指定席を確保したい場合には、「こども」料金の指定席券を購入する必要があります。
特に長距離の移動の場合や手荷物が多い場合は、座席の確保で移動の快適性が向上すると考えられます。
長時間膝の上に乗せておくことが難しい場合や、手荷物で足元が窮屈になるような状況であれば、追加で席を手配することも有効でしょう。
幼児に指定席を用意した場合の料金比較
夫婦と2歳児の家族が、東京から名古屋まで移動する場合(通常期)の料金比較は、図表1の通りです。
図表1
| 指定の有無 | おとな料金 | 幼児料金 | 家族合計料金 |
|---|---|---|---|
| 幼児指定席なし | 運賃:6380円 指定席:4920円 計:1万1300円 |
運賃:0円 指定席:- 計:0円 |
1万1300円×2人 幼児は同伴 計:2万2600円 |
| 幼児指定席あり | 運賃:6380円 指定席:4920円 計:1万1300円 |
運賃:3190円 指定席:2460円 計:5650円 |
1万1300円×2人 幼児はこども料金 計:2万8250円 |
※筆者作成
図表1より、大人2人のみ指定席を利用する場合、幼児は無料なので家族の合計は2万2600円です。幼児の席も確保するならば、「おとな」料金の半額である「こども」料金の5650円が加わり、合計は2万8250円となります。
幼児に座席を用意するメリット
子ども用の指定席を追加購入するかは、費用面からも悩ましい点かもしれません。
しかし、座席の確保には利便性や安心感でのメリットがあります。
例えば、親の身体的な負担が軽減されます。また、子どもが過ごすスペースにも余裕が生まれるでしょう。
家族で並び席を確保すれば、荷物管理もしやすく、隣席への気遣いの負担も減ることが期待できます。
指定券のない空席に荷物を置くのは規則違反
「隣の指定席が空いていたら、子どもを座らせてもよいのだろうか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、隣の指定席が空いていても、その席の指定席券を持っていなければ、荷物置きとしては使えません。指定席はその切符を購入した乗客のためのスペースと定められています。
荷物が多く置き場所に困る可能性があるなら、子ども用の座席を確保し足元のスペースを活用するなど工夫が必要です。
なお、東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、荷物の縦・横・高さの3辺の合計が160センチメートルを超え、250センチメートル以内の「特大荷物」を持ち込む場合、乗車前に「特大荷物スペースつき座席」または「特大荷物コーナーつき座席」のいずれかを予約しなければなりません。もし予約なしで持ち込んだ場合、車内で別途1000円の持ち込み手数料を支払うことになります。
ただしベビーカーはこの特大荷物ルールの適用外であり、サイズにかかわらず、予約不要で持ち込めます。
「こども」料金を払えば、幼児の指定席を確保できる
「こども」料金を支払うことで、2歳の子どもであっても新幹線の指定席を利用できます。座席を確保すれば、子どもが座席で過ごせる時間を持てるだけでなく、荷物の置き場所にも余裕が生まれるでしょう。また、通路や周囲の乗客への配慮もしやすくなることが期待されます。
6歳未満の子どもは基本的に運賃無料ですが、移動中の親子双方の負担などを考慮すれば、子ども用の指定席の購入も選択肢の1つとなるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
