暗証番号を何度か間違えた経験があり、「通帳の内側」にこっそりメモしています。これなら盗難にあってもバレないと思うのですが、問題ないでしょうか?
本記事では、通帳に暗証番号をメモするリスクや、安全な暗証番号の管理方法について解説します。
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通帳の内側に暗証番号をメモするリスクとは?
通帳の内側は一見すると人目に付きにくい場所ですが、プロの窃盗犯や悪意ある第三者にとっては、まず最初に確認されるポイントでもあります。金融機関でも、通帳と暗証番号を一緒に管理することは絶対に避けるべきだと警告しています。
暗証番号が記載されていれば、通帳を盗まれた際にそのままATMから現金を引き出される可能性が高くなります。また、たとえ「暗号化して書いた」つもりでも、推測されるリスクはゼロにはなりません。
リスクを避けるためには、暗証番号は通帳とは別の方法で管理することが重要です。
通帳が盗難・紛失したときに起こり得る危険
通帳と暗証番号の両方が第三者に渡ると、次のような深刻な被害につながる恐れがあります。
・ATMからの現金引き出し
・預金口座からの資金移動
・口座内の資金を使った犯罪行為
さらに、こうした被害が発生した場合、銀行によっては補償の対象外になるケースもあります。一般社団法人全国銀行協会によれば、通帳や暗証番号を適切に管理していなかったと判断されると、補償が受けられない可能性があるとされています。
つまり、「バレないだろう」という油断が、取り返しのつかない損失につながるリスクがあるのです。
通帳に暗証番号をメモしたことによる被害事例
通帳に暗証番号をメモしたことによる被害事例を2つ紹介します。
1.通帳と印鑑を同じ場所に保管し、不正に預金を引き出されたケース
川崎信用金庫によると家で通帳と印鑑を一緒に保管しており、空き巣に入られた際に両方を盗まれ、不正に預金を引き出された事例が報告されています。
2.通帳と暗証番号のメモを一緒に保管し、不正引き出し被害に遭ったケース
ほかのケースでは、通帳の内側に暗証番号をメモしていたため、通帳を盗まれた際にそのメモを見られ、ATMから預金を引き出される被害が発生しました。このような行為は、金融機関から「重大な過失」と見なされ、被害額の補償が受けられない可能性があります。
安全な暗証番号管理の方法とは?
暗証番号を安全に管理するためには、次のポイントを守ることが大切です。
1.頭の中で覚える
できるだけ覚えておき、メモしないのが最も安全です。
2.メモする場合は、通帳やカードと別の場所に保管
どうしてもメモが必要な場合は、家の金庫に入れる、暗号化してメモする(完全な無作為な数字)、といった工夫が必要です。
3.暗証番号自体を推測されにくいものに設定する
生年月日や電話番号など、他人に推測されやすい番号は避けるべきです。完全に無関係な数字を組み合わせた暗証番号を設定しましょう。
また、銀行では万一に備えて、通帳・キャッシュカードの盗難や紛失に気づいたら、すぐに利用停止手続きをするよう呼びかけています。被害を最小限に抑えるためにも、異変に気づいたら即行動することが大切です。
まとめ
通帳の内側に暗証番号をメモしておくのは、一見便利に思えるかもしれませんが、実は非常にリスクが高い行為です。盗難や紛失に遭った場合、口座内の資金が簡単に引き出されてしまう可能性もあるため、絶対に避けましょう。
暗証番号は可能な限り自分の記憶に頼るか、どうしてもメモするなら別の安全な場所に厳重に保管することが大切です。安心して資産を守るためにも、今一度、ご自身の管理方法を見直してみてください。
出典
一般社団法人全国銀行協会 自己防衛していたのにキャッシュカードの偽造、盗難被害に遭ったら?
川崎信用金庫 キャッシュカード、印鑑、通帳の偽造・盗難による犯罪
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
