カフェや駅などの「無料Wi-Fi」をよく利用します。運営者はどのくらいの料金を払っているのでしょうか?
スマホのギガ数を節約したい方にとっては非常にありがたい無料Wi-Fiですが、無料Wi-Fiの設置に対して運営者がどれくらい料金を払っているのか気になる方もいるでしょう。また、なぜ営利企業である運営者が、コストをかけて無料のインターネット環境を提供しているのかも気になります。
本記事では、法人用Wi-Fiの費用の目安や、事業者が無料Wi-Fiを設置するメリットについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
法人用Wi-Fiの費用の目安
カフェや飲食店などの法人が無料Wi-Fiを導入するには、ルーターの設置が必要となるため月額料金のほかに初期費用が発生します。
法人用Wi-Fi設置に係る初期費用は3000~1万円前後、月額費用は4000~5000円程度が目安です。個人用のWi-Fiの月額料金と比べて、大きな差はありません。
近年は初期費用が安くかつ手軽に設置できる置き型ルーターが主流のようですが、ルーター代が3000~5000円程度、業務用ルーターなら1万円台~10万円かかります。また、光回線を使用する場合には、1~4万円程度の工事費用が発生するケースもあります。
個人用Wi-Fiと法人用Wi-Fiの主な違いは、同時接続可能数です。不特定多数が利用するカフェでは、100人以上に対応した業務用ルーターが必要となります。
事業者がコストをかけても無料Wi-Fiを設置する理由
カフェや飲食店等の事業者が、ランニングコストをかけて無料Wi-Fiを設置する理由には、集客と顧客満足度の向上、それにともなう売り上げアップなどが挙げられます。
上記のとおり、無料Wi-Fiは3000~1万円程度の初期費用に加えて、月額4000~5000円程度の月額費用がランニングコストとなります。無料Wi-Fiはその名のとおり、無料で提供されるWi-Fiサービスのため、直接利益を生むことはありません。
ただし、無料Wi-Fiの設置によって、ランニングコスト以上のメリットが発生し、結果としてもうけにつながる可能性があります。
以下で、無料Wi-Fiを設置することで期待ができる、主な3つの効果について説明します。
1. 無料Wi-Fiを目的とした顧客よる効果
無料Wi-Fiを設置することにより、テレワーク目的の顧客やノマドワーカーなど、ネット環境のある飲食店やカフェを求めている顧客の拡大につながります。仕事が目的の顧客だけではなく、ほぼ1人1台スマホを持っている近年では、無料Wi-Fiが設置されているかどうかを店選びの判断基準にする方も多いでしょう。
2. 顧客の滞在時間が長くなることによる効果
無料のネット環境を提供することにより、仕事やネットサーフィンなどで顧客の滞在時間が長くなります。滞在時間が長時間化すると、追加注文やおかわりなどのアップセルに期待できます。
3. POSレジの導入による効果
近年主流となっているPOSレジやキャッシュレス決済端末は、Wi-Fi環境が必須となるケースが多くなっています。Wi-Fi環境を整備しておくことによって、そのような設備の導入もスムーズになります。
また、無料Wi-Fiを利用できることは、店舗で働くスタッフにとっても従業員満足につながるでしょう。
自治体の運営する自治体Wi-Fiや補助金もある
インバウンドへの対応や地方創生の一環として、自治体が主体となって運営する無料Wi-Fiの整備も推進されています。観光案内所や空港、駅や鉄道などの観光拠点に無料Wi-Fiを整備して、商店街全体をカバーするなど観光客が快適に回遊できる環境づくりが特徴です。
また、飲食店や観光業者を対象に、Wi-Fi機器の整備に係る費用を自治体が補助するケースもあります。例えば、島根県では、令和6年度にWi-Fi機器整備に係る費用の3分の2以内で1施設の上限が7万円まで助成されていました。
無料Wi-Fiの設置は費用がかかってもメリットは多い
カフェや飲食店などに設置される無料Wi-Fiは、初期費用3000~1万円ほど、月額費用4000~5000円ほどで運営されています。事業者にとっては、無料Wi-Fiを求める顧客の集客や、滞在時間の長期化によって売り上げがアップするなど、費用を支払ってでも無料Wi-Fiを設置するメリットがあります。
また、自治体が主体となって取り組む無料Wi-Fiも推進されており、インバウンド対策や観光客誘致に効果が期待されていることが分かります。
出典
総務省 地方のポテンシャルを引き出すテレワークやWi-Fi等の活用に関する研究会 Wi-Fi整備推進WG(第7回) 資料7-4 【参考】自治体Wi-Fiの整備・利活用の留意事項
島根県 令和6年度 しまね国際観光推進協議会 Wi-Fi機器整備経費助成事業要項
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
