義母から「初孫の顔を見せに来て」と連絡が来たけど、“東京-大阪”の交通費がツライ!「往復6万円」ほどですが、義母側に出してもらえるよう相談しても大丈夫でしょうか?
配信日: 2025.05.10

子どもが生まれたばかりであれば、将来を見据えて貯金を優先したい気持ちもあるでしょう。悩んでしまうのも無理はありません。では、帰省費用を負担してもらうことを提案してもよいのでしょうか。
本記事では、帰省時にかかる費用負担の実態と親世代の本音を探り、親世代に負担してもらう際に気を付けるべき点について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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帰省費用とその負担の実態は?
情報サイト「ハルメク」が実施したアンケート調査によると、約70%の家庭が「親世帯が子世帯の帰省時にかかる費用を負担している」と回答しています。負担割合は家庭によって異なりますが、「全額親が負担」と答えた世帯は約18%にのぼります。
一方で、約23%の世帯は「全額子どもが負担」と答えていますが、割合からみても親世帯が多少なりとも負担しているケースが一般的であることが分かります。また、帰省時に親が負担する金額として最も多いのは、「1万円以上3万円未満」で、全体の約40%を占めています。
東京から新大阪間の新幹線代は大人1人あたり片道1万5120円(指定席/最繁忙期)で、夫婦で往復利用した場合は6万480円です。この金額が含まれる「5万円以上7万円未満」「7万円以上10万円未満」「10万円以上」を負担している親世帯の割合は18%となっています。
親世代の本音は?
帰省時にかかる費用を負担してもらえると、子世帯にとってはありがたいものですが、親世帯の本音はどうなのでしょうか。
同アンケート調査によると、親世帯が子世帯の帰省にかかる費用を負担する理由で多かったのは、「親として負担してあげたいから」で、全体の約56%を占めています。これは親世代が子どもに対して、親としての責任感や愛情から、できる限りのサポートをしたいという気持ちが強いことを示しています。
特に、今回のケースでは「初孫に会いたい」という明確な理由があることから、負担をかけることなく子どもに帰省してもらいたい、という思いを持っている可能性もありそうです。
親に帰省にかかる費用を出してもらうときに気を付けるべきこと
家族内であっても、お金の話はしにくいものです。一方で、親は子どものために何かしてあげたいと思っていると考えられるため、相談してみるのは悪いことではありません。ただし、お願いする際には金銭面での配慮と、親世帯の経済状況を考慮しましょう。
親が年金生活に入っている場合は、特に配慮が必要です。厚生労働省のデータによると、2023年度の厚生年金保険第一号の全国平均年金月額は14万7360円で、国民年金では5万7700円です。
例えば1回の帰省で3万円を負担してもらう場合、国民年金月額の50%以上を占めることになります。さらに、年に3回帰省すると9万円、10年続けば90万円になり、積み重ねると大きな負担です。
また帰省にかかる費用は交通費だけではなく、現地でのレジャー費や食費も含まれることを忘れてはいけません。たとえ新幹線代としての現金をもらわなかったとしても、豪華な食事を振る舞ってもらったり、寝具が新調されたりしている場合もあるでしょう。
金銭として直接受け取ることのない費用にも配慮し、そのことに感謝の気持ちを示すことが大切です。
まとめ
小さい子どもを連れて新幹線に乗るのは大変です。ましてや生まれて間もない子であれば荷物も多く、移動だけでも負担となります。さらに交通費の負担まで、と考えると渋ってしまう気持ちにもなるでしょう。
しかし、親世代は、子どもや孫のためになにかしてあげたいという気持ちを持っていることが多く、金銭的に負担をしてでも帰省してほしいと考えているかもしれません。親世帯の経済状況の配慮をした上で、お互いに気持ちよく帰省できるよう、一度相談してみてはいかがでしょうか。
出典
ハルメク 子どもの帰省、親の負担相場は5万!?親子の経済事情
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー