「高額療養費制度」だけではない!? 高い医療費を支払った場合は「付加給付」の有無を確認しよう!

配信日: 2025.05.09

この記事は約 3 分で読めます。
「高額療養費制度」だけではない!? 高い医療費を支払った場合は「付加給付」の有無を確認しよう!
病気やけがの治療で医療費が高額になったとき、家計への負担を抑えるために「高額療養費制度」を利用できます。この制度は、ひと月の医療費に関して窓口負担が自己負担限度額を超えた金額分を払い戻しする制度です。
 
高額な医療費を支払う際は「高額療養費制度」だけでなく、加入している医療保険に「付加給付制度」があるかを確認しましょう。「付加給付金」が得られれば、さらに金銭的な負担を軽減できます。この記事では、「付加給付制度」の概要を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

一部の健康保険組合や共済組合には「付加給付制度」がある

「付加給付制度」とは、一部の健康保険組合や共済組合などが任意で実施している制度です。ひと月(1日から月末まで)の間における医療費の自己負担限度額が独自に定められており、限度額を超えた分の金額を付加給付(附加給付)として支給されます。
 
健康保険組合や共済組合ごとに「付加給付金」の金額は異なるうえ、この自己負担限度額は「高額療養費制度」の限度額よりも低く設定されていることが一般的です。
 
なお、「国民健康保険」や「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に「付加給付制度」はありません。
 

「付加給付金」は「高額療養費制度による払い戻し」に上乗せして保険者が支給する

「付加給付制度」の給付金は、「高額療養費制度による払い戻し」に上乗せして保険者から支給されます。支給申請手続きの有無や手続き方法などは保険者によって異なるため、加入している医療保険に確認しましょう。
 
なお「付加給付金」の支給時期は、おおむね医療機関を受診した月の約3ヶ月後になるようです。
 

医療費が「100万円」のケースでは「高額療養費」と「付加給付金」はどうなる?

ここでは仮に69歳以下で、年収が約370万円~約770万円(標準報酬月額が28万円〜50万円)の方が、ひと月の医療費に「100万円(窓口負担3割)」かかった場合の「高額療養費」を試算します。
 
厚生労働省によると、計算式は以下の通りです。

8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円(自己負担限度額)
30万円(100万円の3割負担)-8万7430円=21万2570円

上記の計算から、「高額療養費」として支給される金額は「21万2570円」です。「付加給付金」は加入している医療保険によって変わるため、支給される「付加給付金」を差し引くことで、最終的な自己負担額が分かります。
 
「高額療養費制度」の自己負担限度額が上記の「8万7430円」で、仮に加入している医療保険が「付加給付」の負担上限額を「2万5000円」に設定している場合、今回のケースでは最終的な払い戻し金額は「高額療養費」として支給される「21万2570円」と、「付加給付金」の「6万2430円」になる計算です。
 

「高額な医療費」が予想される場合は事前に「限度額適用認定証」の交付を申請しよう

「限度額適用認定証」を医療機関に提出することで、医療費が高額になっても窓口で負担する金額は「高額療養費制度」の自己負担限度額までとなります。「限度額適用認定証」の交付を受けるには、事前に申請するのが基本です。
 
なお、「マイナ保険証」があれば、「限度額適用認定証」を事前に申請・取得しなくても自己負担限度額を超える支払いの免除が可能です。
 

まとめ

医療費が高額になったときは「高額療養費制度」を利用し、家計への負担を抑えることが可能です。加えて、加入している医療保険によっては「付加給付制度」が設けられているケースもあります。この制度で支給される「付加給付金」は、保険者ごとに異なるため注意しましょう。
 
「付加給付金」は、「高額療養費制度による払い戻し」に上乗せされる形で支給されます。詳細については加入している医療保険に確認しましょう。
 

出典

厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)(5ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集