子どもがオンラインゲームに「無断課金」。泣き寝入りせず「返金してもらう方法」はありますか?
今回は、このような状況で払い戻しの請求が可能かどうか、どのような手続きが必要なのか、子どものゲーム利用に関するトラブルを未然に防ぐための対策についてご紹介します。
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未成年者の無断課金は取り消しできる?
保護者の同意なしに未成年者がオンラインゲームで課金を行った場合、民法に基づきその契約を取り消すことが可能です(未成年者取消権)。ただし、取り消しが適用される条件にはいくつかの制約があります。
例えば、保護者の同意を得ずに契約を結んだ場合には、その契約の取り消しが認められる可能性があります。一方で、保護者のアカウントでログインされた状態で子どもが課金した場合、保護者自身が承認して決済を行ったとみなされて、契約の取り消しが難しくなるおそれがあります。
また、課金の金額や頻度が異常であれば、未成年者が勝手に行ったと判断されることがありますが、返金の可否は運営側の判断や状況によっても異なるでしょう。なお、課金額がこづかいの範囲内と考えられるような少額の場合は、取り消しは難航するかもしれません。
払い戻し請求の手順
払い戻しを求める手続きは、以下の手順で進めます。
1.ゲーム運営会社およびプラットフォームへ連絡する
2.消費生活センターへ相談する
3.証拠資料を準備する
まずは、ゲーム運営会社やプラットフォーム(App Store、Google Playなど)に直接連絡を取ります。その際は課金が行われた日時と金額、課金に使用されたアカウント情報とともに、子どもが無断で課金した旨を説明し、詳細な情報を正確に伝えましょう。
ゲーム運営会社との交渉が難航する場合は、最寄りの消費生活センターに相談するか、全国共通の「消費者ホットライン 188」への相談をおすすめします。
払い戻しを請求する際には、交渉の際に有効な証拠となる課金履歴や決済明細、ゲーム内で使用されたアカウント情報、子どもによる無断課金であることを示す証拠(例:子どもの年齢証明)などの資料を用意してください。
無断課金を防ぐための対策
子どもによる課金トラブルを未然に防ぐためには、以下の対策が有効です。
・ペアレンタルコントロール機能を活用する
・クレジットカード情報を管理する
・家族間でルールを作る
ペアレンタルコントロール機能とは、子どもが使用するデバイスやアプリに対して、親が設定できる制限や監視機能のことです。子どもがアクセスできるコンテンツの種類を制限したり、使用時間を管理したりできます。
設定することで、不適切なサイトやアプリへのアクセス制限、使用時間の設定、新しいアプリのインストールを事前承認制にすること、課金上限額の設定などが可能になります。親は子どもの安全なインターネット利用を促進し、子どもが勝手に課金できないよう制限できるでしょう。
また、クレジットカードは子どもの目につかない場所に保管し、スマートフォンやタブレットからカード情報を削除したり、指紋認証や顔認証機能などを利用したりして、認証方法を複雑化しておくことをおすすめします。
オンラインゲーム利用時には、家族間でルールを決めておくことも効果的です。例えば「課金は事前承認制」「月々のおこづかいの範囲内でのみ課金可能」「ゲーム利用時間を制限」といったルールを守るように子どもと約束しましょう。
もし、トラブルが発生してしまった場合は事実関係を整理し、冷静に対応することが大切です。
さらに、子ども自身にも課金トラブルについて説明し、一緒に解決策を考えることで、子ども自身が責任感や判断力を身につけるきっかけにもなるでしょう。
未成年者による課金であることが認められた場合、返金を受けられる可能性がある
子どものオンラインゲーム無断課金問題は、多くの家庭で起こり得るトラブルといえます。しかし、状況を冷静に整理し、適切な対策をとることで大きな問題になる前に解決することが可能です。
無断課金が発覚した場合、未成年者取消権を利用して返金される可能性がありますが、状況によっては返金が認められないケースがあることも理解しておきましょう。
今後の課金トラブルを防ぐために、ペアレンタルコントロール機能の利用や、クレジットカード情報の管理に注意を払うことが大切です。予防策を理解して実践し、安全なオンラインゲーム環境を整えましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
