1年ぶりに通帳をATMに入れたら「入出金の合計額」が記載されました。過去の詳細を確認したいのですが、記帳してもらえないのでしょうか?
では、1行にまとめられて記帳された過去の取引履歴は、もう確認できないのでしょうか?
本記事ではその理由と対処法、そして今後の対策について解説します。
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目次
なぜ通帳に「入出金合計」としか記載されなかったのか?
銀行の通帳には、1冊ごとに記録できる行数に上限があります。多くの銀行では、通帳1冊につき100〜200行程度の記帳が可能です。未記帳の取引が30件、100件など一定件数を超える、あるいは一定期間記帳しなかった場合、古い明細はすべて1行にまとめて記帳される仕組みになっています。
このように、記帳できなかった期間の明細を「〇月〇日~〇月〇日 入出金の合計」などと合算して表示する処理は、「摘要記帳」や「合算記帳」と呼ばれます。合計額だけが表示されるため、どの取引があったのかは通帳上では確認できません。
つまり、通帳に記録されなかっただけで、銀行側にはデータが残っているのです。なので、過去の詳細が完全に消えてしまったというわけではありません。
記帳されなかった過去の明細は確認できる?
合算記帳されてしまった明細も、正規の手続きを行えば確認できます。
銀行は通常、過去の取引明細を5~10年程度保管しています。方法によっては、1年以上前の取引内容でも詳細に確認することが可能です。
ただし、10年以上前の明細については開示に応じない銀行も多く、確認できるかどうかは銀行ごとに異なります。また、通帳に自動で再記帳されるわけではないため、個別に確認するための手続きを行う必要があります。
過去の明細を確認する3つの方法
通帳に合算記帳されたとはいえ、過去の入出金の詳細は確認できます。ここでは、具体的にどのような方法で明細を確認できるのか、手軽な順にご紹介します。
1. ネットバンキングで確認
インターネットバンキングを契約している方であれば、最も簡単に過去の明細を確認できる方法です。銀行によっては最大10年分まで閲覧できるところもあり、検索機能やPDF出力などの便利な機能も充実しています。
2. 銀行の窓口で確認
通帳と本人確認書類を持参すれば、銀行の窓口でも過去の明細を発行してもらえます。手数料がかかる場合もありますが、印刷された明細書を受け取ることができ、確定申告や家計簿の整理などにも役立ちます。ただし、店舗や時間帯によっては混雑するため、事前に予約や問い合わせをしておくのが安心です。
3. 郵送での対応
店舗に行けない方は、郵送での対応も可能です。コールセンターや公式サイトで申し込めば、明細を郵送してくれる銀行もあります。こちらも手数料がかかる場合がありますが、遠方の方や高齢の方には便利な手段です。
今後のトラブルを防ぐために
過去の明細を取り戻すことは可能ですが、毎回手続きをするのは手間がかかります。こうした事態を防ぐには、普段から記帳をこまめに行うことが何よりの対策です。
記帳漏れや合算記帳を防ぐには、定期的な記帳が最も効果的です。2~3ヶ月に一度程度ATMで記帳しておけば、合算記帳を防ぐことができます。ATMの利用が難しい場合は、ネットバンキングへの切り替えも検討しましょう。紙の通帳が不要になり、スマートフォンやパソコンでいつでも明細が確認できます。
また、通帳の記帳行数が上限に達している場合、新しい通帳への繰り越しが必要になります。ATMで自動繰り越しができる場合もありますが、うまくいかない場合は窓口で対応してもらいましょう。
通帳管理のトラブルを防ぐために、こまめに記帳しよう
通帳に「入出金合計」としか記録されなかった場合でも、詳細な明細は確認できます。ネットバンキングの活用や、銀行窓口・郵送での対応によって、過去の履歴を把握することは可能です。
記帳漏れを防ぐには、定期的な記帳やネットバンキングの活用が大切です。ご自身の取引履歴をしっかり把握し、トラブルのない通帳管理を心掛けましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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