魚介といえば北海道なイメージがありますが、本当にそうなの? ほかの地域の「漁業産出額」はどうなっている?
では、その次に漁業が盛んな地域はどこでしょうか。四方を海に囲まれた日本には、北海道以外にも漁業が盛んな地域が数多くあります。
この記事では、漁業産出額に注目しながら、日本の漁業について考えていきます。
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北海道の漁業産出額は本当に全国トップなのか?
日本の漁業といえば、まず北海道を思い浮かべる方も多いでしょう。実際、農林水産省が公表する「漁業産出額」によれば、北海道は長年にわたり全国トップの座を維持しています。
2023年のデータによると、北海道の漁業産出額は約2800億円で、全国の2割近くを占めています。これは、豊富な漁場と多様な水産資源など、自然環境の強みが表れた数字といえるでしょう。
一方で、他の地域も独自の強みを持ち、漁業産出額を伸ばしています。例えば、長崎県や愛媛県なども上位に位置しており、地域ごとの特色が反映されています。
北海道以外で漁業が盛んな地域はどこ?
海に囲まれた日本には、北海道以外にも漁業が盛んな地域が数多くあります。中でも注目なのは、北海道に次いで水産物の産出額が多い長崎県と愛媛県です。産出額は表1の通りです。
表1
| 産出額順位 | エリア | 産出額 |
|---|---|---|
| 1位 | 北海道 | 2836億円 |
| 2位 | 長崎県 | 1238億円 |
| 3位 | 愛媛県 | 1086億円 |
| 4位 | 宮城県 | 888億円 |
| 5位 | 鹿児島県 | 768億円 |
出典:農林水産省 大臣官房統計部「農林水産統計 令和5年漁業産出額」を基に筆者作成
長崎県は、対馬海流の影響で栄養豊かな海域を形成し、さまざまな種類の魚が水揚げされます。海面漁業・養殖業産出額は1238億円で全国第2位です。あじ類とたい類が全国1位で、海面養殖業ではくろまぐろやふぐ類が全国1位を誇ります。
瀬戸内海と宇和海の二つの海に面する愛媛県は、漁船漁業や養殖業が盛んな地域です。海面漁業・養殖業産出額は1086億円で全国3位。海面養殖業のまだいとしまあじが全国1位、真珠が全国2位の生産量を誇ります。
漁業産出額が地域経済や財政に与える影響とは?
漁業産出額は、地域経済や財政に大きな影響を与えます。産出額が高ければ、地域の雇用創出や関連産業の活性化につながるでしょう。また、地方自治体の税収増加による公共サービスの充実にも期待できます。
たとえば、漁業が盛んな地域では、水産加工業や流通業、観光業などが発展し、地域全体の経済基盤が強化されます。さらに、漁業関連のイベントや観光資源としての活用も地域振興に役立つでしょう。
まとめ
今後は、気候変動や資源管理の課題に対応するため、持続可能な漁業の推進が求められます。また、デジタル技術の導入や国際的な市場開拓も、地域漁業の発展に不可欠です。
地域ごとの特色を生かしつつ、環境保全と経済成長を両立させる取り組みが、これからの漁業には求められています。
出典
農林水産省 大臣官房統計部 農林水産統計 令和5年漁業算出額(7ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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