マイカーを「普通自動車」から「軽」に乗り換えたら「車のコスト」はどのくらい減りますか? 1年あたりの軽減額を解説
本記事では、普通自動車と軽自動車の維持費の違いを具体的な数値で比較しながら、1年間でどの程度コストを抑えられるのかを解説します。さらに、軽自動車に乗り換える際の注意点についても紹介します。
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普通自動車と軽自動車の維持費の違いとは?
車を維持するうえで発生する費用には、以下のような項目があります。
・自動車税
・自動車重量税
・自賠責保険料
・任意保険料
・燃料費
・車検費用
・メンテナンス費用
普通自動車と軽自動車では、これらの費用の多くが軽自動車のほうが低く設定されています。理由は車両重量が軽く、排気量も小さいためです。
例えば、自動車税は排気量によって決まり、排気量1リットル超~1.5リットル以下の普通車では年額約3万500円(東京都の場合)、軽自動車は全国一律で1万800円です。これだけでも、年間で2万円程度の差が出ます。
また、自動車重量税は車検時に支払う税金で、普通車では2万4600円(エコカー外、2年分)に対し、軽自動車は6600円と大幅に安くなります。車検費用も整備内容は車種によって異なりますが、軽自動車のほうが総じて安価に済むことが多いです。
年間でどれくらいコストが削減できるのか?
ここでは、普通自動車(排気量1.5リットル)から軽自動車に乗り換えた場合、おおよその年間コスト差を試算してみます。条件は年間1万キロメートルの走行、1リットルあたりの燃費は普通自動車(排気量1.5リットル)15キロメートル、軽自動車22キロメートル、ガソリン価格が1リットルあたり170円と仮定します。
図表1
| 項目 | 普通自動車 | 軽自動車 | 年間差額 |
|---|---|---|---|
| 自動車税 | 3万500円 | 1万800円 | ▲1万9700円 |
| 重量税(年換算) | 1万2300円 | 3300円 | ▲9000円 |
| 自賠責保険(年換算) | 8825円 | 8770円 | ▲55円 |
| 任意保険 | 7万円 | 5万円 | ▲2万円 |
| 燃料費 | 11万3000円 | 7万7000円 | ▲3万6000円 |
| 車検費用(年換算) | 5万円 | 4万円 | ▲1万円 |
| 合計削減額 | ▲9万4755円 |
筆者作成
図表1の試算では、1年間でおよそ約10万円のコスト削減が見込めます。これは、車を維持していくうえで非常に大きな差といえるでしょう。
ただし、維持費は車種や使用状況、地域差などによって変動しますので、実際のコストは個別に確認することが重要です。
軽自動車に乗り換える際の注意点
維持費の安さが魅力の軽自動車ですが、乗り換えの前に確認しておきたいポイントもあります。ここでは、軽自動車を選ぶ際に注意すべき点をまとめます。以下は、車を選ぶ際に確認しておきたい主なポイントです。
1. 積載能力と居住空間
軽自動車はコンパクトで取り回しがしやすい反面、車内空間や荷物の積載量には限界があります。ファミリーカーとして利用する場合や、アウトドアなど荷物が多い用途では使い勝手が制限されることもあるでしょう。
2. 安全性能
最新の軽自動車には先進安全機能が搭載されているものも多く、普通車に劣らない性能を備えているものも見られます。ただし、車体の構造上、大型車との衝突時などでは不利になりやすい点も理解しておくことが大切です。
3. 高速道路での走行性
エンジン出力が低いため、高速道路での加速や長距離走行においては、パワー不足を感じることがあります。普段から高速道路をよく利用する人は、ターボエンジン搭載車を検討するのも選択肢のひとつです。
軽自動車への乗り換えは年間10万円超の節約も
普通自動車から軽自動車へ乗り換えることで、自動車税・燃料費・保険料などさまざまな維持費を抑えることができ、1年間で10万円前後の節約が可能です。
ただし、車の使用目的や乗車人数、安全性能の優先度によっては、普通自動車のほうが適しているケースもあります。乗り換えの際は、自分のライフスタイルに合った車種を選び、試乗などを通じて納得のいく判断をすることが大切です。
軽自動車は経済性に優れた選択肢として、多くの家庭で支持されている選択肢です。上手に活用して、賢くカーライフを楽しみましょう。
出典
東京都主税局 自動車税種別割
総務省 平成28年度から軽自動車税の税率が変わります
国土交通省 自動車重量税額について
損害保険料率算出機構 自賠責保険基準料率表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
