子どもを幼稚園に通わせたいのに、近くには「私立」しかない…!私立だと年間で「30万円」近くかかると聞いたのですが、公立なら安くなるのでしょうか?
公立幼稚園と私立幼稚園では年間に16万円ほどの金額差があります。幼稚園の数は私立の方が多いため、公立の幼稚園に通わせたくても通わせられないケースも珍しくありません。
今回は、公立幼稚園と私立幼稚園の費用や数を比較して、それぞれの違いを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
公立幼稚園と私立幼稚園の費用を比較
文部科学省の「令和5年度 子どもの学習費調査」のデータを基に、1年間の公立幼稚園と私立幼稚園の費用を比較します(表1)。
表1
| 公立幼稚園 | 私立幼稚園 | 金額差 | |
|---|---|---|---|
| 教育費 | 6万9362円 | 15万4062円 | 8万4700円 |
| 給食費 | 1万5235円 | 3万5741円 | 2万506円 |
| 幼稚園外活動費 | 10万49円 | 15万7535円 | 5万7486円 |
| 合計 | 18万4646円 | 34万7338円 | 16万2692円 |
出典:文部科学省「令和5年度子どもの学習費調査の結果を公表します」1ページを基に筆者作成
公立幼稚園と私立幼稚園では、年間で16万円程度の金額差があります。幼稚園で必要となる教育費と給食費だけでも、私立幼稚園の方が2倍以上高いです。
また、幼稚園外活動費も私立幼稚園の方が5万円以上高い結果が出ており、年間に大きな金額差が生まれています。このことから、公立幼稚園の方が教育費をおさえられることが分かりました。
公立幼稚園と私立幼稚園の在籍人数別の園数を比較
続いて、公立と私立の幼稚園の数を比較します。ここでは、文部科学省の「令和5年度 学校基本調査」の結果を基に、在籍人数別の幼稚園数を見ていきましょう(表2)。
表2
| 在籍園児数 | 公立幼稚園 | 私立幼稚園 |
|---|---|---|
| 0人 | 290園 | 221園 |
| 1人〜50人 | 1752園 | 1033園 |
| 51人〜100人 | 559園 | 1633園 |
| 101人〜150人 | 119園 | 1244園 |
| 151人〜200人 | 19園 | 875園 |
| 201人〜250人 | 5園 | 530園 |
| 251人以上 | ー | 508園 |
| 幼稚園の数(全国) | 2744園 | 6044園 |
出典:e-Stat 政府統計の総合窓口 統計で見る日本 文部科学省 学校基本調査「都道府県別学校数、在園者数別学校数」を基に筆者作成
園児の在籍人数が50人以下の幼稚園は公立の方が多くなっていますが、在籍人数が51人以上になると私立の方が多いです。さらに、幼稚園の総数も私立の方が2倍以上の数となっています。
園児数が少ない幼稚園を希望するのであれば、公立幼稚園を選ぶとよいでしょう。ただし、幼稚園の数や在籍人数から選択肢が少ないことが考えられるため、通わせたくても通わせられない可能性があります。
公立幼稚園と私立幼稚園のそのほかの違い
公立幼稚園と私立幼稚園の違いとして、以下の内容もあげられます。
・延長保育や夏休み中の預かり保育などへの対応
・通園バスの有無
幼稚園の保育時間は、公立も私立も基本的に4時間〜5時間程度とされています。ただし、私立幼稚園では、延長保育や長期休みの一時預かりに対応してくれる園もあるようです。
また、公立幼稚園では通園バスがないケースもあり、徒歩や自転車などを利用して送り迎えをする必要があるようです。毎日幼稚園に通うことになるため先生と直接話せるなどメリットはありますが、幼稚園が遠方であれば毎日の負担になることが考えられます。
費用だけではなく、保育時間の柔軟性や毎日の負担などを考慮したうえで、どの幼稚園を選択すべきかを考えるとよいでしょう。
私立幼稚園は公立幼稚園より年間に16万円ほど余分に費用がかかる可能性がある
私立幼稚園に入園すると、公立幼稚園より年間に16万円ほど余分に費用がかかる可能性があります。しかし、幼稚園の数は私立の方が2倍以上多く、大人数の園児を受け入れている幼稚園も私立の方が多くなっています。公立幼稚園の方が費用をおさえられるようですが、簡単には入れないというデメリットもあります。
また、延長保育や通園バスなど幼稚園によってサービス内容が異なるため、ご自身の生活環境に合わせて選択するとよいでしょう。
出典
文部科学省「令和5年度子どもの学習費調査の結果を公表します」1ページ
e-Stat 政府統計の総合窓口 統計で見る日本 文部科学省 学校基本調査「都道府県別学校数」
e-Stat 政府統計の総合窓口 統計で見る日本 文部科学省 学校基本調査「在園者数別学校数」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
