入退院を繰り返している70代の祖父母。「医療費」が合計「100万円」を超えそうですが、「負担を軽減できる制度」はありますか?

配信日: 2025.05.18 更新日: 2025.09.26
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入退院を繰り返している70代の祖父母。「医療費」が合計「100万円」を超えそうですが、「負担を軽減できる制度」はありますか?
高齢になると病気やけがで病院を利用する機会が増え、月々の医療費が高額になるケースがあります。もし、祖父母がそうした高額な医療費で困っているときは、制度を利用できないか提案することも選択肢の1つです。
 
今回は、医療費が高額な場合に利用できる制度や、介護サービスも利用している場合に利用できる可能性のある制度などについてご紹介します。
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夫婦での医療費がかさむときは高額療養費制度を利用できる可能性がある

夫婦で支払った1ヶ月の医療費が高額になるときは、高額療養費制度で定められている上限に達していないか確認しましょう。所得や課税状況などに応じて決められた上限額を、1ヶ月で負担した医療費が超えていた際に、超過分を支給してもらえます。
 
厚生労働省保険局によると、70歳以上の上限額は表1のように定められています。
 
表1

収入目安 1ヶ月あたりの上限額(世帯ごと)
年収約1160万円~ 25万2600円+(支払った医療費-84万2000)×1%
年収約770万~約1160万円 16万7400円+(支払った医療費-55万8000)×1%
年収約370万~約770万円 8万100円+(支払った医療費-26万7000)×1%
年収約156万~約370万円 外来個人ごと1万8000円
(年14万4000円)
5万7600円
住民税非課税世帯Ⅱ 外来個人ごと8000円 2万4600円
住民税非課税世帯Ⅰ
(年金収入80万円以下など)
1万5000円

※厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」を基に筆者作成
 
例えば、月の出費が9万円で年収が約200万円の場合、制度を利用することで3万2400円が支給されるでしょう。
 
ただし、制度を利用するためには支給申請書の提出が必要です。加入している医療保険から制度の対象である旨を知らせてもらえるケースもありますが、祖父母に申請をしたか確認することをおすすめします。
 

介護サービスも利用しているときは高額医療・高額介護合算療養費制度もチェックしておく

70代の祖父母が、医療費だけでなく介護サービスも利用していて家計を圧迫している場合、高額医療・高額介護合算療養費制度(以降合算療養費制度とする)の適用対象になる可能性があります。
 
合算療養費制度は、医療保険と介護保険の両方を利用している世帯のうち、1年間の医療費、介護サービス費の負担額が上限額を超えたときに超えた金額を支給してもらえる制度です。
 
大阪市によると、70歳以上の人がいる世帯の上限額は以下のように定められています。
 

・課税所得690万円~:212万円
・課税所得380万円~:141万円
・課税所得145万円~:67万円
・課税所得145万円未満:56万円
・市町村民税非課税世帯:31万円
・市町村民税非課税世帯(所得が一定以下):19万円

 
なお、支給されるためには支給申請書の提出が必要です。
 

上限額を超えていれば一部医療費が戻ってくる制度がある

祖父母が毎月高額な医療費を支払っている場合、高額療養費制度の対象になる場合があります。申請をすれば、1ヶ月の医療費のうち超えた金額分が戻ってくるため、祖父母の負担軽減につながる可能性があるでしょう。
 
また、祖父母が介護サービスも利用している場合、高額医療・高額介護合算療養費制度も利用できる可能性があります。祖父母が医療費や介護サービス費の負担で困っているときは、利用できないか提案してみるとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
大阪市 高額医療・高額介護合算療養費制度のお知らせ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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