姉夫婦は世帯年収800万円ですが「生活が苦しい」と言っています。子ども2人の「4人家族」だと、支出額はどのくらいなのでしょうか?
本記事では、年収800万円の4人家族の家計事情と、なぜそのような家庭でも苦しいと感じるのか、その支出構造について解説します。
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目次
世帯年収800万円でも「お金が足りない」と感じる理由
年収800万円は、一般的には「高年収」に分類されます。国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体のうち年収800万円以上の割合は全体の11%です。
しかし、子どもが2人いる4人家族となると、想定される支出は大きくなり、決して余裕のある暮らしとはいえないこともあるのです。その背景には、以下のような支出の増加が挙げられます。
1. 住宅費の高さ
住宅ローンや賃貸費用は地域や物件の条件によって異なりますが、都市部でマイホームを購入した場合、月々10〜15万円程度のローン返済が一般的です。加えて、固定資産税やマンションの管理費なども発生します。
2. 教育費の負担
子どもが2人いると、保育園・幼稚園から高校・大学までの学費、塾代、習い事などで多額の教育費がかかります。特に中学受験や私立進学を選択すると、1人あたり年間100万円以上の支出になることもあります。
3. 生活水準の上昇
年収が高くなると、それに比例して生活水準も上がりがちです。外食、レジャー、旅行、衣類、通信費など必要とは言い切れないけど削りにくい支出が増えていきます。
4. 税金・社会保険料の負担
年収800万円クラスになると、所得税や住民税、健康保険料なども大きくなります。手取りに換算すると600〜680万円程度となり、実際の可処分所得はかなり減少します。
子ども2人の4人家族の平均的な支出とは?
それでは、実際に子ども2人を育てる4人家族がどの程度の支出をしているのか、シミュレーションしてみましょう。
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 2024年」による、4人家族(勤労者世帯)の1ヶ月あたりの支出額は以下のとおりです。
食料:9万6023円
住居:1万5394円
光熱・水道:2万3520円
家具・家事用品:1万2979円
被服及び履物:1万3728円
保健医療:1万3631円
交通・通信:5万2352円
教育:3万2349円
教養娯楽:3万4826円
その他の消費支出:5万287円
◎消費支出:34万5089円
年収800万円の手取りは、税金や社会保険料を差し引くと月42万~45万円程度が一般的です。そのため、月の平均的な消費支出を差し引くと、残る余裕資金は7~10万円程度になります。
ただし、住宅ローンや家賃、子どもの成長に伴う教育費の増加、地域差などによって実際の家計状況は大きく異なります。病気や冠婚葬祭などの急な出費や将来や老後に向けた貯蓄を考えると、必ずしも余裕があるとは言い切れない家庭も多いのが現状です。
家計の見直しポイントはどこか?
生活が苦しいと感じたとき、収入を劇的に増やすのは現実的に難しいため、支出を見直すことが最も有効です。本章では、見直しやすいポイントを紹介します。
1. 通信費・保険料の見直し
格安SIMの活用や不要なオプション解約、保険の内容確認を行えば、月数千円〜1万円の削減が可能です。
2. 身の丈に合った教育費の選択
無理に高額な私立学校や塾に通わせるよりも、家庭での学習環境を整える方法もあります。公立をうまく活用することで、負担を軽減できます。
3. 住宅費が家計を圧迫していないか確認
理想的な住居費は、手取りの25~30%以下が目安とされています。それを超えている場合、住み替えや借り換えなどの検討も必要かもしれません。
4. ライフプランを作成する
将来の教育費や老後資金、住宅ローンの完済時期などを見据えた計画を立てることで、無駄な支出を避けられます。
年収だけでは豊かさは測れない。将来に向けて計画を立てよう!
世帯年収800万円と聞くと「経済的に余裕がある」と思われがちですが、子ども2人の4人家族では、多くの支出により「意外と余裕がない」と感じる家庭が多く存在します。特に教育費や住宅ローンなど、固定費が大きいと、日々のやりくりに苦労するケースも少なくありません。
しかし、支出の内訳を見直し、生活水準や優先順位を明確にすることで、家計に余裕を持たせることも十分に可能です。無理なく続けられる改善策を実践し、将来の安心につなげていきましょう。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年 表番号3-1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
